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経営難から大逆転! 独自の精密加工で新分野を開拓した金型メーカーイノベーションで戦う中小製造業の舞台裏(3)(6/7 ページ)

自社のコア技術やアイデアを活用したイノベーションで、事業刷新や新商品開発などの新たな活路を切り開いた中小製造業を紹介する本連載。第3回となる今回は大阪市西淀川区で精密金型製作を専門とする三木製作所を紹介する。

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ファイバーレーザー加工機を導入し、20ミクロンの切削が可能に

 三木製作所は金型製作のさらなる効率化と品質向上にも取り組んでいる。同社は2015年1月に、新型のファイバーレーザー加工機を導入。20ミクロンの精度で切削を行うと目視では形状が確認できないため、倍率2000倍のマイクロスコープも導入した。


20ミクロンの微細切削加工が可能なファイバーレーザー加工装置(クリックで拡大)

 これまでの三木製作所の精密微細金型は、その精度が刃物の直径に依存していたため、50ミクロンが最小だった。しかしこの極細の刃物で金属を削っていくため、スピードを上げると刃が折れてしまう。そのため切削のスピードにも限界があり、直径50mm、長さ100mmのロールに金型を切削すると、マシンを24時間稼働させても1カ月近くかかっていたという。

 その間は他の仕事ができないし、当然コストもかさむ。そこで新たなファイバーレーザー加工機を導入し、より微細で精密な金型をスピーディーに製作できることを目標に研究開発を推し進めているという。


20ミクロンの精度で切削した金型の表面をマイクロスコープで映した画像。目視では確認できない(クリックで拡大)

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