トヨタの次世代タクシーはLPGハイブリッド採用、現行のLPGタクシーを代替:東京モーターショー2015
トヨタ自動車は2017年度内に発売を予定している次世代タクシーの概要を発表。「東京モーターショー2013」で披露したコンセプトカー「JPN TAXI Concept」がベースになっており、新開発のLPGハイブリッドシステムを搭載する予定だ。
トヨタ自動車は2015年10月26日、2017年度内に発売を予定している次世代タクシーの概要を発表した。2013年11月の「東京モーターショー2013」で披露したコンセプトカー「JPN TAXI Concept」がベースになっている。全国のトヨタ店、トヨペット店を通じて販売する。次世代タクシーは、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)において映像で紹介される予定だ。
次世代タクシーの内外装デザインは、日本の街の風景を変えることを念頭に、“おもてなしの心”を反映している。日本国内で同社を利用するユーザーに向けた安心/快適性能を持たせることで、環境負荷低減、超高齢化などの社会変化に対応した、「新たな『日本のタクシー』確立を目指す」(同社)という。
具体的には、JPN TAXI Conceptと同様に、一目でタクシーと分かる独創的で親しみのある外観デザインを採用。低床化と大開口スライドドアによる優れた乗降性と、車いすでの乗車を考慮した広い室内空間、さらに街中での取り回しの良さも兼ね備える。「お客さまからドライバーまで『みんなにやさしい』タクシー車両を目指す」(同社)としている。
パワートレインは、タクシーの走行パターンに適した環境性能と高い経済性を持つ、LPG(液化石油ガス)を燃料とするエンジンとモーターを組み合わせたLPGハイブリッドシステムを新たに開発し搭載する。タクシーとしての使用環境を考慮し、長距離の使用に耐える高い耐久性能も目指す。
2017年末に生産中止するLPGタクシーを代替
トヨタ自動車は、国内のタクシー業者に排気量2.0l(リットル)のLPGエンジンを搭載する「クラウン コンフォート」をはじめ多くの車両を供給している。LPGがガソリン税がかからず安価なこと、排気ガスがガソリンエンジンやディーゼルエンジンよりもクリーンなこともあって、クラウン コンフォートに代表されるLPGエンジン車はタクシー業界で広く利用されており、タクシー業者向けのLPGスタンドも存在している。
ただし、クラウン コンフォートは2017年末に生産中止されるという報道があり、日産自動車など他社も既に生産を中止していることもあって、タクシー業界がLPGエンジン車を調達する手段が大幅に狭まる可能性が高まっていた。
今回の次世代タクシーは、クラウン コンフォートを代替するLPGエンジン車になり得る車両といえる。
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