自動運転とステアバイワイヤは相性抜群? ジェイテクトの体験型展示:東京モーターショー2015
ジェイテクトは「東京モーターショー2015」において、電動パワーステアリングの操作と歴史を体感できるシミュレーション「JTEKT DRIVING SIMULATOR『SODA』」を出展する。同社が開発中のステアバイワイヤによる操舵も体験することができる。
ジェイテクトは2015年10月15日、東京都内で、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)の展示コンテンツとして披露する「JTEKT DRIVING SIMULATOR『SODA』」のメディア体験会を行った。
SODAは、ジェイテクトが販売/研究を進めてきた電動パワーステアリングの操作を「過去」「現在」「未来」のパートに分け、体感できるというコンテンツだ。SODAという名前は「操舵」に由来し、一通りのコンテンツを体験するのにかかる時間は約3分となっている。
「過去」パートでは、電動パワーステアリングによるアシスト“なし”の状態と“あり”の状態比較による利便性の向上を、「現在」パートでは予防安全技術として搭載されている「レーンキープアシスト」機能を体感できる。シミュレーターはコックピットが6軸で駆動する既製品をベースに開発しており、同社の電動パワーステアリングを実際に搭載しているわけではない。ただし、ジェイテクトの電動パワーステアリングの操舵感を感じてもらうために、制御ソフトウェアは同社のものを組み込んでいる。
「未来」パートでは「ステアバイワイヤ」を再現
「未来」パートでは自動運転下でも安全性を担保し、環境、操作性にも配慮した独自の制御技術を体感できる内容となっている。同社技術本部 技術管理部 技術統括室 第1グループ 主任の三浦祐介氏によると、「ステアバイワイヤのシステムを想定し、自動運転状態を再現している」という。
「自動運転とステアバイワイヤの組み合わせの良い点は、車軸とドライバーが持つハンドルのコラム軸が機械的につながっていない、リンクレスだという点です。もし自動運転機能が判断して、緊急回避などの急な方向転換が行った場合でも、余計な反力をカットできるため、ハンドルが突然回ることなくドライバーがその状況に合わせた操作がやりやすくなります」(三浦氏)。
同社が開発中のステアバイワイヤの特徴は、ステアリングシステムが独自のコントローラーを持ち、車両側のコントローラーと協調する形で、操作性の高い自動運転を実現している点だという。東京モーターショー2015では、ステアバイワイヤについての関連展示も行う予定だ。
リーディングカンパニーとして「No.1&Only One」
ジェイテクトの東京モーターショー2015の出展テーマは、「No.1&Only One クルマの過去・現在・未来を支える JTEKT」だ。
ブースでは、今回体験会を行ったSODAをはじめ、ヘッドマウントディスプレイを用いて「ジェイテクト伊賀試験場」の走行を体感できる「JTEKT 360 VIRTUAL REALITY “JGOGGLE”」を展示する。トヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」のカットモデルも展示し、同車に採用されている電動パワーステアリングシステムの紹介なども行う予定だ。
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