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デジタルヘルスケアの新潮流「睡眠トラッカー」の価値IFA 2015リポート(2/3 ページ)

歩数計などの機能を持つリストバンド型ウェアラブル端末「アクティビティトラッカー」は、主に肥満対策などのデジタルヘルスケアの用途で注目され、数多くの製品が販売されるようになった。そのデジタルヘルスケアの新たな潮流となっているのが、「IFA 2015」で数多くの製品が展示された「睡眠トラッカー」だ。

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家電との連携も可能なサムスンの「SleepSense」

 Samsung Electronics(サムスン)は2015年9月3日、睡眠の質の改善を目的に、睡眠状態をモニタリングする「SleepSense」を発表した。厚さ約1cmの円盤型ヘルスケアデバイスで、ベッドのマットレスの下に置くことで、脈拍や呼吸、動きを通じてユーザーの睡眠状況をリアルタイムにモニタリングできる。イスラエル・EarlySenseの非接触で心拍および呼吸数をモニタリングする技術を採用した。

サムスンが大々的に発表した「SleepSense」
サムスンが大々的に発表した「SleepSense」(クリックで拡大)
サムスンブースの「SleepSense」の展示
サムスンブースの「SleepSense」の展示(クリックで拡大)

 測定可能項目は、睡眠に至るまでの時間、実際の睡眠時間、睡眠効率、途中目覚めた回数、ベッドから出た時間、レム睡眠、ノンレム睡眠の全7項目。それらを基にユーザーの睡眠時の傾向を把握し、質の悪い睡眠に対しては改善のためのアドバイスを行う。モニタリング結果はスマートフォンに記録されていく仕組みで、その正確性は97%程度とされている。

(左)スマートフォンに表示された「SleepSense」の測定項目。(中央)その日の睡眠の質をグラフ化した表示。(右)家電との連携機能(クリックで拡大)

 もう1つ特徴的なのは、サムスンが展開するスマートホームプラットフォーム「SmartThings」との連携が可能であるということ。例えば、ユーザーがベッドで寝ながらテレビを見ていて寝落ちした場合、テレビや照明を消したり、エアコンを適温に設定したりすることも可能だという。遠隔モニタリングにも活用できるとしている。

サムスンブースの「SmartThings」の展示
サムスンブースの「SmartThings」の展示(クリックで拡大)

Beurerの「SE 80 SleepExpert」

 Beurer(バウアー)は、1919年にドイツに設立された、医療や健康、理容/美容機器の製造販売をしている企業だ。日本では心拍計機能付きの高性能なスポーツウォッチを販売しているが、ドイツでは他にも体重計や血圧計、照明や血中グル―コース濃度測定器などを展開している。これらのデバイスが測定した身体のデータを、Beurerのクラウドサービス「HealthManager」にアップロードすることで、さまざまな測定データを一元管理することが可能だ。

 ドイツでは、EC(欧州委員会)が発行する「データ保護指令」の他に、ドイツ独自の「連邦データ保護法」および関連する約40本の個別法が制定されており、データの取扱についてとりわけ厳しい法規制が適用されている。Beurerのクラウドサービスは、ドイツの安全性認定機関であるTÜV Rheinlandの認定を受けている。

 そのBeurerは、サムスン同様、EarlySenseの技術を採用した新たな睡眠トラッキングデバイス「SE 80 Sleep Expert」をIFA 2015で発表した。睡眠状況を正確にモニタリングすることで、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠異常を早期に把握し、対処することができるようになる。

Beurerの「SE 80 Sleep Expert」の展示
Beurerの「SE 80 Sleep Expert」の展示(クリックで拡大)
「SE 80 Sleep Expert」とタブレット端末の表示画面
「SE 80 Sleep Expert」とタブレット端末の表示画面(クリックで拡大)

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