バッチ処理時間を大幅に短縮する高速データベース・マシンを導入:製造IT導入事例
日本オラクルとアシストは、村田機械がオラクルの高速データベース・マシン「Oracle Exadata Database Machine」を導入したと発表した。導入により、夜間バッチや資材所要量計画のバッチ処理時間が大幅に短縮した。
日本オラクルとアシストは2015年9月16日、村田機械がオラクルの高速データベース・マシン「Oracle Exadata Database Machine」(以下、Oracle Exadata)を導入したと発表した。導入はアシストが担当し、村田機械の基幹システムを支えるプライベート・クラウド環境の統合データベース基盤として稼働している。
村田機械は、業務および業務システムの改革・改善の一環として、製品情報管理の強化を目指し、全社統一でデータを管理する「統合部品表システム」の構築を進めてきた。同システムでは、膨大な量のデータ処理が予測され、そのデータベース基盤には、高い拡張性と処理性能が求められていた。同時に、基幹系システムのハードウェアが更新時期を迎えていたため、従来より利用していた「Oracle Database」のアップグレードにより、バージョン統一や運用効率の向上を図るため、Oracle Exadataの導入を決定した。
今回の導入により村田機械では、夜間バッチの処理時間が1/2に、資材発注時に必要となる資材所要量計画のバッチ処理時間が1/6以下に短縮。アプリケーションにトラブルが生じた場合にも、十分な対応時間を確保できるようになった。オンライン画面のレスポンスも、約6倍に向上したという。
また、大容量で高い拡張性を持つため、将来のデータ増にも対応できる。さらに、Oracle ExadataやOracle Databaseの各種管理ツールを活用することで、データベースの監視作業を効率化。遠隔地にある災害対策サイトに設置されたOracle Exadataに、Oracle Active Data Guardを使って本番サイトのデータを複製・同期できるため、システムの可用性も向上した。
村田機械では今後、各種ツールを活用しながら、データベース監視を強化し、SQLチューニングなどを検討する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “黒船”はどこだ!? 「革新は他の産業からやって来る」――オラクル講演
日本オラクルは、業界別ソリューションをテーマとしたユーザーイベント「Oracle Industry Leadership Summit 2014」を開催。基調講演では、米国Oracle グローバルビジネスユニット エグゼクティブ・バイスプレジデントのRobert K.Weiler(ロバート・K・ワイラー)氏がICTを取り巻く環境の変化とそれによる産業構造の変化について講演を行った。 - 収益に結び付く「4つの箱」カイゼンフレームワーク
ちょっとのスキルで業務改善に成功したヤンマーエネルギーシステムの事例と、日産NPW活動のベースにある思考フレームワークを紹介 - IT+サービス+ヒューマンリソース
仕事を細分化し、分類することで、人的リソースの調達を効率的に行おうという「Human Cloud(ヒューマンクラウド)」。この先進的な考えをビジネス化している事例が国内にあった。オペレーションを日本で行い、人権費の低い地域の労働力を活用することで競争力を得る手法を探ってみた。 - WES7 Tips − Windows PEをカスタマイズするには?
Windows Embedded Standard 7に精通する筆者が技術セミナーなどでよく質問を受ける内容と、その対処法を紹介。今回は、Windows PEをカスタマイズし、「作成したバッチファイルをシステム起動時に自動的に呼び出す方法」を解説する。 - 基幹業務を担う病院情報システムの仕組み
医療機器がネットワークを介して病院内外の医療情報システムと連携することは当たり前の時代になった。本連載は、医療機器開発者向けに、医療情報システムに代表される医療ITの歴史的背景や仕組みを概説する。第1回は、病院内の基幹業務を担う病院情報システム(HIS)だ。