オムロン「卓球ロボ」の進化が示すのは“45年前に予見した未来”:CEATEC 2015(2/3 ページ)
「CEATEC JAPAN」で2年連続で登場し注目を集めるオムロンの「卓球ロボット」。スポーツロボットを販売するわけではないオムロンがなぜ卓球ロボットの進化を追求するのか。同社がFA領域で実現したい将来像について考察する。
人の感覚を共有する「やわらか制御」
CEATEC JAPANのオムロンブースでは、FA関連では、卓球ロボットの他に「やわらか制御」技術と、「人と一緒に働くロボット」技術を出展した。
やわらか制御技術とは、人の感覚に近いやわらかな作業や動作を、センサーと制御技術を使って実現するというものだ。展示では、ボールとバットを回転させ、そのモーターに付けた力覚センサーの情報を基に制御技術でさまざまな効果を生み出すというデモを行っていた。
何も制御をかけない状況であれば、ボールやバットを動かせば、振り子のように動いて徐々に動きを弱めて止まる。しかし、例えば「無重力」を選択するとコントローラーの制御により、一度手を加えると無重力状態のように同じ動作を行い続ける。また「軽々制御」を選択すると、力がかかった同じ方向に支援する力を発生させ、小指一本の力でも楽々とボールやバットを扱うことができる。同様に、ボールを落とし、掛かった力をコントロールすることで、跳ねないようにするというデモも行われた。
人とともに働くロボット
人と一緒に働くロボットでは、同社が出資したサイバーダインの搬送用ロボット※)と、同社の持つ「お顔センサー」を組み合わせ、顔を認知して人に近寄り、アンケートを求め、回答してもらった人にはボールを渡す、というデモを行っていた。このデモでイメージするのは、人を認知して状況を理解し、作業などを支援するロボットの世界だ。
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さて、これらから見えてくるのはどういうことになるだろうか。
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