いまさら聞けないBluetoothとその認証プロセス:技術&認証プロセス解説(3/3 ページ)
マウスやスマホ、ハンズフリーセットなどで身近な「Bluetooth」のことをどれだけ知っているだろうか。技術の基礎とBluetooth製品を世に出すために必要な認証プロセスについて解説する。
Bluetoothロゴ認証のプロセス
一般的なBluetoothロゴ認証プロセスのフローを下の図4に示す。左側の「Member」の各ボックスの作業はBluetoothロゴ認証取得企業が行い、右側の「TUV Rheinland (BQE / BQTF)」の各ボックスはBluetooth SIGが認定したテュフ ラインランドなどの認証機関(BQTF)およびその認証エクスパート(BQE)の作業内容である。
ロゴ認証プロセスに入る前には認証対象製品のテストサンプルが必要で、事前に試験期間(BQTF)と打ち合わせてRF試験用に改造したサンプルと、プロファイル試験用に製品(無改造品)とがそれぞれ1台必要である。
その後メンバー企業の認証登録担当者が所定の登録ページ(*3)からProject作成操作とBQEアサイン操作を行うと、アサインされたBQEがそのProjectへの機能登録やエビデンス登録等の編集操作を行うことができるようになる。同時にBluetooth SIGへ支払うDeclaration Fee(登録費。Adopter Memberが8000ドル、Associate Memberが4000ドル)のため、Invoice取得操作と銀行送金を行う。
*3 Bluetooth SIG https://www.bluetooth.org/
BQTFでRF試験やプロファイル試験を実施して必要な試験綱目に合格すると「BQTF発行リポート」が作成され、BQEがそれを用いて認証関連ドキュメントに従って「BQEレビュー」と呼ばれる検証作業を行う。BQEは検証が完了するとProjectを認証登録担当者へ承認返却する。
そして認証登録担当者が最終段階として認証登録操作を行うと、Bluetooth製品の認証・登録手続が完了する。その際に第三者公開を先の日付にする設定が可能であるが、デフォルトの当日のままで登録を完了させた場合は半日程度で製品登録サイトに表示されるようになる。なお、認証ドキュメントで定められた技術資料および試験リポートなどをまとめた「Compliance Folder」と呼ばれる書類一式を作成し、5年間保存する義務がある。
以上でBluetoothロゴ認証・登録手続が完了し、平行して各国・地域の無線機器認証の取得が完了すればその製品の販売が可能になる。
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