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Googleが街を再構築する〜街のIoT化がもたらすもの〜Sidewalk(3/5 ページ)

「都市生活の改善」を掲げるGoogleが立ち上げた「Sidewalk Labs」だが、詳細は明かされていない。しかし、「LinkNYC」などさまざまな取り組みを重ね合わせるとその狙いが透けて見える。

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 これまでGoogleは、Google Fiber(光ファイバー事業)やGoogle Fi(MVNO事業)などGoogle自らが通信事業者と同様のサービスを展開し始めただけでなく、Project Loon(気球によるインターネットアクセスの提供)、Project Titan(ドローンを使ったインターネットアクセスの提供)などさまざまな形でインターネットアクセスを提供している。

 衛星関連企業「Skybox」の買収も、一部ではインターネットへのアクセスの拡大に使われる計画ではないかとみられている。

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さまざまな形でインターネットアクセスを提供するGoogle

 あくまでも仮説だが、LinkNYCのコンセプトは、Googleが構築するネットワークの一端になりうると考えられる。そしてこの仮説が正しいとすれば、LinkNYCにおけるGoogleの目的は莫大(ばくだい)な街に関連する情報を収集し、それを広告ビジネスに活用することを目指したものではないだろうか。

 前述のとおり、Linkが設置されることにより、街に無料のWi-Fi接続が提供され、インターネットにアクセスできるようになる。しかも、ニューヨーク市には広告の掲示可能なディスプレイが1万台出現することになる。さらに、広告が設置される位置も重要だ。人々の目線と同じ高さにディスプレイが設置される予定であり、より自然な形で人々の目に広告が触れることになる。

 Googleにとってはスマートフォンなど特定のデバイスに目を向けていなくても広告のリーチ拡大を期待できる。しかし、Googleが同計画に関与することにより、スマートデバイスとの連動など、単なるLinkのディスプレイ表示にとどまらない広告を展開すると推察される。近隣スーパーなど店舗への情報配信に活用される可能性もあるだろう。

 2015年7月14日に発表されたBluetooth LEを活用するオープンなビーコンプラットフォーム「Eddystone」と連動、あるいは相互に補完することで、近隣の店舗がフラッシュセールをリアルな世界でも実現できるようになるかもしれない。

 地域情報配信においてはよりピンポイントで情報を届けることができるEddystoneの方がターゲットを絞りやすい。一方で、インターネットへのアクセスにより広範囲に情報やコンテンツ、広告を流す場合はWi-Fiの方が適している。つまり、配信する情報の種類によって、Wi-FiとEddystone利の使い分けを実現することが可能となる。

 これら上記はGoogleがコアとする広告ビジネスから容易に推察される展開である。しかし、筆者にはSidewalk LabsやIntersection設立の背景には、これからに説明するようなGoogleの別の狙いが見え隠れするように思うのである。

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