クルマのボディカラーは白黒シルバーの時代じゃない、6割が「明るい色」を希望:車両デザイン
BASFジャパンは一般消費者250人に自動車に関するアンケート調査を行った。ボディカラーについては、無彩色(白/黒/シルバー/グレー)よりも有彩色(赤/青/緑など)の需要が高まっているという。
自動車向け塗料を扱うBASFジャパンは2015年8月7日、独自にアンケート調査した「消費者の自動車意識と求められるカラー」の結果を発表した。調査結果によると、現在は白/黒/シルバー/グレーといった無彩色のクルマに乗る人が約70%を占めるものの、「次に買うなら赤や青、緑などの有彩色」という回答が約60%に達したという。
同アンケート調査は、神奈川県横浜市の住宅展示場来場者を対象に行われた。回答者数は250人(男性160人/女性90人、年齢問わず)。BASFジャパンは毎年、自動車のカラートレンド予測を発表しており、「消費者は今、自動車に対してどういう考えを持っているのか実際の声を集めたかった」と調査の背景を語る。
性能や走り、価格より「デザイン」重視
アンケート調査は主に「現在の自動車利用について」「新規に自動車を購入するなら」の2つの視点から行われた。特に目を引いたのは、新規購入時に重視するポイントの欄。「デザイン(カラー含む)」を重視すると答えた人が28%と、「性能、走り」(26%)「価格」(26%)をわずかだが抑える結果となったのだ。
「日本のクルマは、無彩色が約70%を占めるといわれている。しかし今回の調査結果から、クルマに求めているのはまず『デザイン』で、ボディカラーも有彩色の需要が増えていることが分かった」(BASFコーディングス事業部 カラーデザインセンター アジア・パシフィックチーフデザイナーの松原千春氏)。
また、「現在はガソリンエンジン車に乗っている」という回答が88%とほぼ9割にも及んだ。しかし、次回購入したい車両については、「ハイブリッド車」が36%、ガソリンエンジン車が32%で、ハイブリッド車が上回った。その他、自動運転システムについての項目では、「利用したい」と考える人が73%と過半数を占め、「便利で楽」「安全」という理由が挙げられた。一方、「利用したくない」という回答の理由としては、「運転する楽しみがない」と答えた人が6割に上った。
「今後、電気自動車や自動運転車などの登場でクルマの概念が大きく変わることが予想される。ボディカラーも、それに合わせて近未来にふさわしい色のニーズが高まり、カーライフをより豊かにするカラーの人気が高まるだろう」と松原氏は説明した。
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