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MRJ初号機納入まで残り2年、正念場に向け開発体制を強化:製造マネジメントニュース
三菱航空機は米国ワシントン州シアトルに「シアトル・エンジニアリング・センター(SEC)」を開設した。航空機産業が集積するシアトルに開発拠点を設けることで、国産旅客機「MRJ」の開発を加速させる。
三菱航空機は2015年8月4日、米国ワシントン州シアトルに「シアトル・エンジニアリング・センター(SEC)」を開設したと発表した。航空機産業が集積するシアトルに開発拠点を設けることで、国産旅客機「MRJ」の開発を加速させる。
MRJは県営名古屋空港で2015年9〜10月に初飛行を予定している。その後、旅客機の運航に必要な型式証明の取得に向けた飛行試験を日米で行い、初号機を2017年第2四半期(7〜9月)に全日本空輸(ANA)に納入する予定となっている。
SECを開設することで、型式証明の取得に向け2016年第2四半期(4〜6月)から実施予定のワシントン州のグラント・カウンティ国際空港で行う飛行試験に備える狙いだ。型式証明の取得については、米AeroTECの協力を受けながら進めるとしている。SECは地元シアトルを中心に約100人のエンジニアを採用。日本からも約50人派遣し、約150人体制で運営を行う予定だ。
MRJの納入時期は当初の計画から4年ほど遅れている状況にある。型式証明を計画通り取得できなければさらなる遅れにつながる可能性もあり、2016年からの飛行試験は大きな鍵を握っている。
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