オムロンが米モーション制御機器メーカー買収、商品構成と顧客層を強化:FAニュース
オムロンは、米国のモーション制御機器メーカーである「デルタ タウ データ システムズ」を買収することを発表した。
オムロンは2015年7月30日、米国のモーション制御機器メーカーである「デルタ タウ データ システムズ(Delta Tau Data Systems、以下、DT)」の株式を100%取得してグループ会社化することを発表した。
DTは1976年創業のFA(ファクトリーオートメーション)関連企業。モーション制御に特化したコントローラーの専業メーカーで、世界最高水準のモーション制御を可能とするコントローラー「PMAC」を開発、製造、販売しており、高い技術開発力とシステムインテグレーション力が特徴となっている。米国や韓国を中心とする半導体・液晶ディスプレイ製造装置や、工作機、包装機などのメーカーに製品を導入している。
昨今の製造現場には、装置の処理速度・処理精度の向上による生産性改善、ロボット活用による省人化・品質向上など、より最適なモーション制御技術が求められるようになっている。これらの動きを背景に、オムロンは自社の製品構成を強化し、顧客層を広げるためにDTの買収を決めた。
オムロンではこれまで、プログラマブルロジックコントローラー(PLC)とモーションコントローラーの機能を一体化した統合型コントローラー「NJ/NXシリーズ」を発売し、高性能なモーション制御を実現。今回の買収により、オムロンでは今後、DTのモーションコントローラー「PMAC」をオムロン製品群と組み合わせ、グローバルな販売網を通じて製造業各社に提供する方針だ。
またDTが抱える、高いエンジニアリング力をもった販売網を活用し、DTの顧客企業に対してもオムロン製品の提供を進めていく。さらに、DTのモーション制御技術を取り込んだ「NJ/NXシリーズ」なども提供するとしている。
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