検索
特集

「3Dスキャナ」の進化を支える4つのトレンドモノづくりセミナーリポート(2/3 ページ)

ローランド ディー.ジー.主催のモノづくりセミナー「Experience Day3」(東京会場)に登壇したデータ・デザイン セールスユニット セールスG マネージャー 日尾紀暁氏の講演から、3Dスキャナの市場動向や最新トレンドなどを紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

3Dスキャナの市場動向

 3Dスキャナの活用分野を見てみると、主に「工業用途(検査・評価など)」「医療用途(美容用途含む)」「土木・建築用途(ダム建設・橋りょうなど)」などで導入が進んでいる。

 医療用途に関しては、対象が主に人間(生体)になるので「1m以下の範囲を測定できる短距離型の3Dスキャナの導入が伸びている」(日尾氏)という。

 一方、以前から3Dスキャナが活用されていた工業用途では、短距離型の3Dスキャナだけでなく、50m以下、800m以下の範囲を測定できる長距離型の3Dスキャナも導入されている。そして、対象が建築物全体や施設全体のような広範におよぶ土木・建築用途では、50m以下、800m以下、2km以下の範囲を測定できる長距離型の3Dスキャナが活用されているという。


分野別に見る3Dスキャナ
分野別に見る3Dスキャナ(※講演スライドより)

 3Dスキャナの出荷台数については、「1000万円以上する3Dスキャナが多かった2010年度の出荷台数(実績)は860台。2014年度以降になると、300万円台の機種が登場するなど低価格化が進み、2015年度の出荷台数(見込み)は2100台になるといわれている」(日尾氏)。

 また、「市場規模を分野別に見てみると、工業用途が最も伸び率が高い。そして、これまであまり使われてこなかった医療用途についても、ここ最近で大きな伸びを見せ、存在感を増している。2015年度の3Dスキャナの市場規模は100億円以上といわれている」と日尾氏。

自動車のフロアマットの製造火力発電用タービン形状のメンテナンス (左)自動車のフロアマットの製造/(右)火力発電用タービン形状のメンテナンス (※講演スライドより) 画像クリックで拡大表示

 3Dスキャン市場の中で主力となるのが短距離型の3Dスキャナだ。主要分野である工業用途では設備投資が堅調に推移しており、リプレイスや増設ニーズも増えてきているという。また低価格化が進んだことで、中小企業での導入も増加している。「3D精度についても、データ・デザインで取り扱っているArtec Group製のハンディ型3Dスキャナ『Artec Eva』で0.1mm、『Artec Spider』で0.05mmとハイエンドの機種と比べても精度面で遜色はない」(日尾氏)。

ハイエンド3Dスキャナと比較して遜色のない3D精度
ハイエンド3Dスキャナと比較して遜色のない3D精度(※講演スライドより)

 そして、さらに市場規模を拡大しているのが医療用途だ。整形・形成外科、歯科、美容などの用途で積極的に活用が進んでいる。その他、3Dプリンタのトレンドと連動して伸びてきた3Dボディスキャンなどのコンシューマ向けサービス、エンターテインメント分野、アパレル分野などでの事例も増えてきているという。

医療用途での活用事例
医療用途での活用事例(※講演スライドより)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る