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アウディもBMWもダイムラーも欲しがる高精度地図データの雄、HEREの現在地自動運転技術 HERE インタビュー(2/4 ページ)

HEREは、高精度な3次元地図データをはじめ、自動運転車を実用化する上で重要な技術を持つ企業だ。配車サービスのUberや、アウディ、BMW、ダイムラーの3社連合が買収に名乗りを上げるなど注目を集めているが、そのHEREの現在の事業展開はどのようなものなのか。同社のアジア太平洋地域担当本部長を務めるマンダリ・カレシー氏に話を聞いた。

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2つの成長事業「Smart Guidance」と「Intelligent Car」

 HEREの主力事業は、地図データに加えて、50カ国で展開している交通情報サービス、駐車場やガソリンスタンドなどのPOI(Point of interest)データサービスを含めた「Maps and Automotive Services」である。

 同社が成長事業として位置付けているのが「Smart Guidance」と「Intelligent Car」だ。

HEREの事業構成
HEREの事業構成。現行の主力事業「Maps and Automotive Services」をベースに、「Smart Guidance」と「Intelligent Car」という2つの成長事業に展開を拡大している(クリックで拡大) 出典:HERE

 まずSmart Guidanceは、HEREが提供する「HERE Auto」というプラットフォームを中心に、次世代の車載情報機器とナビゲーションサービスを提供しようというものだ。このHERE Autoを先行して採用したのがJaguar Land Roverの「Jaguar XF」である。「もはや誰もが持つようになったスマートフォンのナビゲーションと車載情報機器のカーナビゲーションを、クラウドを介してシームレスにつなぐサービスになっている」(カレシー氏)という。

「Jaguar XF」の車載情報機器
「Jaguar XF」の車載情報機器。「HERE Auto」が採用されている(クリックで拡大) 出典:HERE

 カレシー氏は、このHERE Autoについて、「自動車メーカーや車載情報機器メーカーが求めるビジョンに沿って柔軟に構成を変えられることが最大の特徴」と協調する。そのHERE Autoの柔軟さを支えるのが、開発環境の「HERE Auto SDK」だ。

 HERE Auto SDKは、HEREの強みである地図データと経路案内などを行うためのナビゲーションコアと、ナビゲーション以外の機能をつかさどる拡張機能を組み合わせたミドルウェア層の「Location Layer」がベースになる。Location Layerの上層には、ブランドや製品ごとに変更する必要のある車載情報機器のHMI(Human Machine Interface)が乗る。なおHMIは、ノキアが推進してきたHMIの開発フレームワーク「Qt」を用いる。

「HERE Auto SDK」の構成
「HERE Auto SDK」の構成(クリックで拡大) 出典:HERE

 HERE Autoの展開は、2015年前半のHERE Auto SDKの正式公開に始まり、2016年にはHERE Autoを用いた各社の次世代車載情報機器プラットフォームをサポートする。そして2017〜2018年には、そのころに市場投入されるであろう半自動運転技術にも、車載情報機器を対応させていくというロードマップを描いている。

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