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昆虫の嗅覚を災害救助ロボに、NEDOが次世代ロボット開発を加速次世代ロボット研究開発

NEDOが「革新的ロボット要素技術」と「次世代人工知能」を中核とする、次世代ロボットの研究開発に着手した。昆虫の嗅覚を災害救助に活用するセンサーや化学繊維を用いた人工筋肉など18のテーマで“次世代ロボット”の開発を加速させる。

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 NEDO(新エネルギー・産業技術開発機構)は2015年7月23日、「革新的ロボット要素技術」と「次世代人工知能技術分野」を中核とする、次世代ロボット技術の研究開発に着手したと発表した。「人工知能」「センシング」「制御」などロボットに必要な要素技術の開発に産官学共同で取り組み、政府「ロボット新戦略」で示された次世代ロボットの実現を目指す。

 革新的ロボット要素技術については、「センシング」「アクチュエータ」「自律・システム統合」の各分野において10億円(2015年度)の予算を投下、産官学での研究開発を加速させ、ロボットに用いられる要素技術の拾い上げと成熟を狙う。事業についてはNEDOがプロジェクトマネジャーを置くことで“研究のための研究”になることないよう配慮する他、ワークショップや競技会も開催することで競争も促進する。

 ロボットット要素技術開発において現在採択されているテーマは、「人検知ロボットのための嗅覚受容体を用いた匂いセンサーの開発」(受託予定先は東京大学、住友化学、神奈川科学技術アカデミー)、「高強度化学繊維を用いた『超』腱駆動機構と制御法の研究開発」(東京工業大学)、「次世代ロボットのためのマルチセンサ実装プラットフォーム」(東北大学)など18テーマ。

 「人検知ロボットのための嗅覚受容体を用いた匂いセンサーの開発」では、昆虫の持つ嗅覚受容体を用いて人の汗の臭いを検知するセンサーを開発、マイクロチップ化し、災害時の行方不明者探索ロボットへの搭載を目指す。各採択テーマについて開始より2年間は先導研究フェーズとし、フェーズ終了後に達成度や実用化への進行具合などを考査、研究内容の見直しや研究開発体制の改廃も含めたマネジメントを実施する。

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東京大学、住友化学、神奈川科学技術アカデミーが開発に着手する「人検知ロボットのための嗅覚受容体を用いた匂いセンサーの開発」
採択テーマ 委託予定先 分野
人検知ロボットのための嗅覚受容体を用いた匂いセンサーの開発 東京大学、住友化学、神奈川科学技術アカデミー センシング
次世代ロボットのためのマルチセンサ実装プラットフォーム 東北大学 センシング
ロボットの全身を被膜する皮膚センサの確立と応用開発 熊本大学 センシング
高強度化学繊維を用いた『超』腱駆動機構と制御法の研究開発 東京工業大学 アクチュエーション
可塑化PVCゲルを用いたウェアラブルロボット用ソフトウェアアクチュエータの研究開発 信州大学、産業技術開発総合研究所 アクチュエーション
高効率・高減速ギヤを備えた高出力アクチュエータの研究開発 横浜国立大学 アクチュエーション
全方向駆動機構を核とした革新的アクチュエータ技術の研究開発 東北大学 アクチュエーション
スライドリングマテリアルを用いた柔軟センサーおよびアクチュエータの研究開発 豊田合成、アドバンスト・ソフトマテリアルズ アクチュエーション
慣性重量を含むインピーダンス可変機構を有するスマートアクチュエータ 早稲田大学 アクチュエーション
小型油圧駆動系と燃料電池/電池ハイブリッド電源によるフィールドアクチュエーション技術 東京大学 アクチュエーション
人間との親和性が高いウェアラブルアシスト機器のための可変粘弾性特性を有する革新的ソフトアクチュエータシステムの開発 中央大学 アクチュエーション
高分子人工筋肉アクチュエータによる柔らかな運動支援装具の研究開発 九州大学、名古屋大学 アクチュエーション
超広域認識行動計画学習ロボット知能ソフトウェア要素群の透過的継続的システムインテグレーション管理機構技術の研究開発 東京大学 ロボットインテグレーション技術
人共存環境で活動するロボットのためのHRI行動シミュレーション技術の実現 国際電気通信基礎技術研究所 ロボットインテグレーション技術
人ごみをぶつかりながら安全かつ不快感を与えずに移動する自律移動技術の研究開発 パナソニック、早稲田大学 ロボットインテグレーション技術
生物ロコモーションの本質理解から切り拓く大自由度ロボットの革新的自律分散制御技術 東北大学 ロボットインテグレーション技術
行動記録レイヤ統合に基づく革新的能動センシング、適応アクチュエーション、障害対応実時間統合システムの中核総合化研究開発 東京大学 ロボットインテグレーション技術
知識の構造化によるロボットの知的行動の発現研究開発 明治大学 ロボットインテグレーション技術
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東京工業大学が開発に着手する「高強度化学繊維を用いた『超』腱駆動機構と制御法の研究開発」

 人工知能開発については産業技術総合研究所の人工知能研究センターを研究開発拠点とし、国際電気通信基礎技術研究所と国立情報学研究所、九州工業大学、信州大学、奈良先端科学技術大学院大学らと連携し、「人間と相互理解できる次世代人工知能技術の研究開発」「計算神経科学に基づく脳データ駆動型人工知能の研究開発」「社会的身体性知能の共有・活用のためのクラウドプラットフォーム」「理論知識型IAとデータ駆動型AIの統合による自動運転用危険予測装置の構築と公道実証」「不定形物操作のための知能システム構築プログラムの研究開発」の各テーマについて、研究を進めていく。

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