車載情報機器のスマホ連携基盤にニュアンス参戦、マツダ提携の米ベンチャーと:車載情報機器(1/2 ページ)
音声認識エンジンを手掛けるNuance Communications(ニュアンス)と米国ベンチャーで車載情報機器のソフトウェアプラットフォームを展開するOpenCar(オープンカー)が提携。常時通信接続を行うコネクテッドカーで重要な役割を担う、車載情報機器のスマートフォン連携プラットフォームの事業展開を加速させる。
音声認識エンジンを手掛けるNuance Communications(ニュアンス)と米国ベンチャーで車載情報機器のソフトウェアプラットフォームを展開するOpenCar(オープンカー)は2015年7月17日、東京都内で会見を開き、コネクテッドカー分野で提携すると発表した。
会見当日は、ニュアンスとオープンカーの車載情報機器向け製品/ソリューションを紹介する日本企業向けの内覧会も開催。両社とも本社は米国に置くものの、ニュアンスからはオートモーティブ部門でシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるArnd Weil(アーンド・ヴァイル)氏、オープンカーからはCEOのJeff Payne(ジェフ・ペイン)氏が来日し、自動車メーカーや車載情報機器の大手企業が集積する日本市場を意識した会見を行った。
車載情報機器分野で事業展開を拡大するニュアンス
ニュアンスの車載情報機器向け音声認識エンジンは、全世界で累計1億3000万台に搭載されるなど高い実績を誇る。従来は、車載情報機器に組み込むタイプの音声認識エンジンが主流だったが、現在は車載情報機器に組み込んだ音声認識エンジンとクラウドを連携させる「Dragon Drive Speech」の採用も拡大させている。
Appleの音声エージェント「Siri」に採用されるなど、ニュアンスは音声認識エンジンで広く知られている。しかし車載情報機器分野では、音声認識エンジンのみならず、スマートフォンとの同期を行う「Dragon Drive Link」やコンテンツ提供プラットフォーム「Dragon Drive Connect」も展開している。
これらのDragon Drive製品は、BMWの新型「3シリーズ」や「7シリーズ」、Audi(アウディ)の「A6」、トヨタ自動車の海外市場向け車両、Daimler(ダイムラー)の車両などに採用されている。
ニュアンスのヴァイル氏は、「これまで当社は音声認識エンジンに焦点を当てて事業を展開してきたが、自動車分野では現在、『自然でパーソナルな方法で日常生活に接続したスマートカーのユーザー体験を可能にする』をビジョンとして掲げている」と語る。
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