外部のスパコンに簡単アクセスして大規模解析できる「CCNV V2」、基本機能を無償化:CAEニュース
ハイブリッドクラウド運用支援システム「CCNV」はクラウドHPCサーバや社内サーバにアクセスし、ファイルの高速転送やジョブの実行・管理などが可能なシステム。新製品「CCNV V2」は基本機能を無償化し、大規模計算結果データを不可逆圧縮し転送時間を大幅に短縮できるオプションを追加した。
ヴァイナスは2015年7月9日、ハイブリッドクラウド運用支援システムの新製品「CCNV V2」を発表した。同システムの販売開始は2015年7月13日から。
「CCNV(シーシーエヌブイ:Cloud Computing NaVigation system)」はクラウドHPCサーバや社内サーバにアクセスし、ファイルの高速転送やジョブの実行・管理などが可能なシステム。同システムは一般的なWindowsの知識だけで簡単に扱える仕組みだ。
CCNVの普及促進のためV2から基本機能版「CCNV-Basic」を無償化した。CCNV-BasicはCCNVのWebサイトよりユーザー登録を行うことで、無料でダウンロード可能だ。基本機能としてファイル転送やサーバ上のファイルの直接編集などの機能を備える。
有償の上位版「CCNV-Basic Plus」では、上記の基本機能に併せ、ジョブの投入・実行状況確認・収束グラフモニターやサーバ料金試算といった機能が利用できる。動的な通信帯域制御を備えた高速ファイル転送機能「C3」も備える。V2で新たに新有償オプション「Comp」(計算結果データの圧縮転送機能)を追加。大規模計算結果データを不可逆圧縮し転送時間を大幅に短縮できる。下図は同オプションを最大圧縮率95%で適用することで、転送時間が10分の1に短縮できた例だ。
同オプションの現時点での対応ソルバーは「OpenFOAM」の強化版「Helyx-SAS」および「FrontFlow/blue」。今後、流体解析や構造解析の各種商用ソルバーに順次対応予定だ。
価格は「CCNV-Basic Plus」が42万円、Compオプションがソルバーごとに28万円、「C3オプション」が80万円(いずれも年間ライセンス、税別価格)。
同社は自動車関連、重工業を中心に、CCNV-Basic Plusを初年度で100本、Compオプションは初年度で200本、C3 オプションは50本を売り上げ、合わせて約1.5億円の販売を見込む。
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