DRAM一体型センサーで960fpsの超スロー撮影実現、ソニーが製品化:CMOSセンサー
ソニーが「デジタルカメラとしては初めて」(同社)、メモリ一体型積層型CMOSイメージセンサーを搭載したデジカメを発売する。実現した超高速読みだしによって、960fpsの超スロー撮影などが可能だ。
ソニーは2015年6月26日、コンパクトデジタルカメラ「RX100 IV」「RX10 II」を発表した。両モデルともに撮像素子として、1型のDRAM一体型の積層型CMOSセンサー“Exmor RS”を搭載することで最大960fpsの超スローモーション撮影が可能となった。
同社は支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用いる「積層型構造」CMOSセンサーをスマートフォン向けに2012年より市場へ投入しているが、新製品はこの技術を応用。従来は同一層にあった画素と処理回路を重ね合わせる構造に変更し、この変更によって処理回路の規模拡大を実現するとともに、DRAMをセンサーの裏側に配置することで、既存方式のセンサーに比べて約5倍のデータ読み出し速度を実現した。
高速化した読み出し速度を利用し、最大960fpsのスーパースローモーション撮影機能や最速1/32000秒の超高速シャッター、動体歪み(ローリングシャッター)を軽減するアンチディストーションシャッター機能などを搭載した。スーパースローモーション撮影時に音声は記録されず、Class10に以上のSDXCメモリーカードが必要とされる。
「RX100 IV」は2.9倍ズームレンズ(35ミリ換算24〜70mm相当)を搭載する小型のコンパクトタイプ、「RX10 II」は8.3倍ズームレンズ(35ミリ換算24〜100mm相当)を搭載するネオ一眼タイプ。実売想定価格はRX100 IVが12万円前後、RX10 IIが16万円前後。
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