組織の弾性を定量的に測定する――超音波画像診断装置を国内独占販売:医療機器ニュース
コニカミノルタは、仏SuperSonic Imagineの超音波画像診断装置「Aixplorer」を日本国内で独占販売すると発表した。同社では、今後成長が見込まれる超音波市場で、国内シェア拡大を目指す。
コニカミノルタは2015年5月21日、仏SuperSonic Imagineの超音波画像診断装置「Aixplorer(エクスプローラー)」を日本国内で独占販売すると発表した。発売は同年7月の予定。
Aixplorerは、2009年に発売されたハイエンドの超音波画像診断装置。生体組織の弾性(硬さ)測定では、先進的な製品として乳腺・肝臓領域を中心に高い評価を得ている。今回、同社が独占販売するモデルでは、システムのハードウェアを一新し、アプリケーションも充実。乳腺だけでなく、幅広い診療科での診断に役立つという。
Aixplorerが搭載する独自技術「ShearWave Elastography」は、生体内を伝搬する剪断波を用いて組織弾性の絶対値を計算し、数値とカラーマップ画像でリアルタイムに画面上に表示する。また、測定時にプローブで生体を圧迫する必要がないため、習熟度に左右されず、再現性にも優れている。そのため、乳がん検診などで腫瘍の硬さを調べたり、肝臓疾患の検査で肝線維化の評価に用いることで、疾患の早期診断が可能になるという。特に最新モデルでは、従来より時間分解能が高く、組織弾性のカラー画像の更新速度が速いため、疾患の見落としが少なくなり、病変の細かい変化が容易に確認できる。
さらに、高速画像処理技術「UltraFast Imaging」により、画像処理に時間がかかる血流のカラー動画像表示でも、1秒あたりのフレーム数(コマ数)を多くすることができる。脈波の表示や測定データの保存も可能で、検査終了後にポストプロセス処理によって計測することも可能になった。
他に、コントラスト分解能を改善する「SuperCompound」、フィルター処理でノイズを抑える「SuperRes」など、さまざまな画像処理技術も搭載。画像のノイズを抑え、画質を向上させた。
標準価格は1億円(税別)で、今回のAixplorerの投入により、ハイエンド領域までカバーした商品展開が可能になる。今後同社では、成長が見込まれる超音波市場で、国内シェア拡大を目指すとしている。
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