RPGで学ぶトヨタ生産方式の本質:RPGで理解する生産管理(5)(1/6 ページ)
製造業にとって重要な要素である「生産管理」ですが、なかなか初心者には理解するのが難しい……。そんな生産管理初心者に向け、RPG(ロールプレイングゲーム)になぞらえて分かりやすく生産管理を解説する本連載。最終回となる今回は、トヨタ生産方式の本質についてご紹介します。
“モノを生産する”製造業にとって、生産を上手に管理し運営していく「生産管理」の手法は、非常に重要です。しかしさまざまな要素や考え方が含まれる「生産管理」は、慣れない人々にとっては理解するのが難しいものでもあります。そこで本連載「RPGで理解する生産管理」では、生産管理の初心者を対象に、多くの人が子どもの頃に夢中で遊んだであろうRPG(ロールプレイングゲーム)になぞらえて、生産管理を分かりやすく解説していきます。
前回の「『ボスキャラの倒し方』に学ぶ問題解決の手順」では、「RPGから見える生産管理の本質」という切り口で生産現場で日々発生する問題の解決をテーマに、MECE(ミーシー)や論理的思考といった「ロジカルシンキング」の話をしました。しかし、部署や立場など役割の違うおのおのが勝手にロジカルシンキングを行っても、組織は上手く回りません。
そこで最終回となる今回は、前回の続きとしてまず“組織としての考え方”を押さえるために「組織階層とバリューチェーン」について解説し、最後にトヨタ生産方式の本質に迫ります。
組織階層とバリューチェーン
RPGでレベルアップを繰り返して上級職に就いていくように、会社でも昇格していくに連れて上位の役職になっていきますよね。ここではこの昇格の縦の関係を、大きく以下の3つの階層に分けて考えてみたいと思います(図1)。
これら3つの各階層では、組織運営について考える内容が異なります。「経営層」は会社全体を見渡し、経営戦略を策定します。その全体的な経営戦略を各部門で実現可能な具体論へと落とし込み、実際に現場に指示を出していくのが「ミドルマネジメント層」です。「現場層」では与えられた指示に従って、日々の業務を運営していきます。
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