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自動ブレーキに長距離超音波センサー、レーザーレーダーより高精度:人とくるまのテクノロジー展2015
三菱電機は、「人とくるまのテクノロジー展2015」において、運転支援システムの自動ブレーキ機能向けに開発中の「ロングレンジ超音波センサー」を参考出展した。2016年以降の商品化を目標としている。
三菱電機は、「人とくるまのテクノロジー展2015」(2015年5月20〜22日、パシフィコ横浜)において、運転支援システムの自動ブレーキ機能向けに開発中の「ロングレンジ超音波センサー」を参考出展した。2016年以降の商品化を目標としている。
ロングレンジ超音波センサーは、駐車時に用いるコーナーセンサーとして実績のある超音波センサーに、より遠距離まで超音波を届かせるためのホーンなどを装着したものだ。一般的な超音波センサーの検知距離は2m程度だが、ロングレンジ超音波センサーは8mまでの対象物との相対速度を測定できる。この検知距離から、時速30km以下の低速度域で動作する自動ブレーキ機能のセンサーとして最適だとしている。
同様の低速度域の自動ブレーキ機能に広く利用されているセンサーにはレーザーレーダーがある。「ロングレンジ超音波センサーは、このレーザーレーダーに対する優位性がある。まず、通常の超音波センサーにホーンを装着するだけなので安価だ。次に、レーザーレーダーが使う光よりもはるかに低速の音波を使うので、より高精度かつ高分解能な測定を行える。検知精度で言えば、ロングレンジ超音波センサーは、レーザーレーダーよりも1桁上になる。さらに、レーザーレーダーだと影響を受けやすい、西日などの逆光や対象物の汚れ・色に関わらず安定した検知が可能だ」(同社の説明員)という。
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