産業機器向けのIoT基盤を2015年内に共同開発、PTCとNTTドコモ、NSWの3社が協業:LiveWorx 2015(1/2 ページ)
PTCとNTTドコモ、日本システムウエアの3社は、PTCのIoTプラットフォームをベースに日本企業に求められる、より実用的なIoT基盤の開発を共同で行うことを発表した。2015年内にまず産業機器メーカー向けのテンプレートを開発しリリースする予定だという。
米国の大手CAD/PLMベンダーであるPTCおよび同社傘下でIoTプラットフォームを展開するThingWorxは2015年5月4〜7日(現地時間)、米国マサチューセッツ州ボストンにおいてユーザーカンファレンス「LiveWorx 2015」を開催。同カンファレンス期間中である2015年5月6日、ThingWorxをベースとし日本企業向けに最適化したIoT基盤を、PTCとNTTドコモ、日本システムウエア(NSW)の3社で共同開発していくことを発表した。
PTC傘下であるThingWorxは、IoTアプリケーション開発において共通となる開発基盤を提供しており、IoTアプリケーションの開発をスクラッチで開発する時に比べて「10倍早くにリリースできる」という点を特徴としている。しかし、日本企業にとってはこれらの開発基盤上で開発する場合でも、実際の利用に至る間にはいくつか必ず開発しなければならない共通のソフトウェア部品が見えてきているという。今回の協業では、ThingWorxをベースとし、さらに日本企業で共通して必要になるソフトウェア部品をPTCおよびThingWorxと、NTTドコモ、NSWで共同して開発することで、日本企業がIoTを導入する期間の短期化とコストの低減を目指すものとなる。
PTCジャパン 執行役員の成田裕次氏は「ThingWorxは簡単にIoTを導入できる開発プラットフォームとして評価を受けているが、日本企業にとってはその基盤の上でも追加で必要な開発が多く実導入までに時間がかかる場合も多い。それらの共通部品部分を共同開発し、開発コストを抑制できるようにする。さらに業界特化型のソリューションなども用意していく」と述べている。
具体的に取り組むのは、2つの点となる。1つ目が、再利用可能な共通部品の開発で、PTCおよびThingWorxが技術的な知見を提供しながら、NTTドコモとNSWが主導的に開発を進めていく。2つ目がこれらの共通部品を蓄積していくことで、業界固有の事情に合わせた典型例となる産業別テンプレートを作成していくことだ。まずは産業機器メーカー向けのテンプレート開発を行い、2015年内には提供を開始する計画だとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.