新型「ステップワゴン」の横開き「わくわくゲート」はホンダだから実現できた:車両デザイン(2/3 ページ)
ホンダの新型「ステップワゴン」は、車両後部のテールゲートが縦方向だけでなく横方向にも開く「わくわくゲート」の採用が特徴の1つだ。このわくわくゲートは、ホンダ車でなければ搭載する意味のない機能になっている。
「全方位から乗車できる唯一のミニバン」
新型ステップワゴンで注目されている新機能の1つがわくわくゲートだ。一般的なテールゲートは屋根との接続面を中心軸に上側に開く。わくわくゲートは、従来のテールゲートと同様に上側に開くだけでなく、テールゲートの中央部縦方向を中心軸として車両後部左側から横開きできるサブドアを設けた。
わくわくゲートのサブドアによって、従来のミニバンの課題だった、3列目シートもしくは荷室となっている車室後部へのアクセス性の悪さを解決できる。例えば、スペースの狭い駐車場や一般住宅のガレージでは、上開きするテールゲートが壁などにぶつかる可能性があるため、開けられないこともある。しかし、わくわくゲートのサブドアは、車両の左側後部からハンドルを使って横開きすれば、壁際に駐車していても、3列目シートに乗車したり、荷室に荷物を積み込んだりできる。
またサブドアの開度は、35度、57.5度、78度の3段階で調節できる。最小開度の35度では荷物の出し入れが、57.5度では3列目シートの乗車/降車が、78度では自転車やベビーカーを折り畳まない状態での積み込みが可能だ。なお、テールゲートの上開きと、サブドアの横開きは同時にできないように電子制御している。サブドアを室内から開ける場合にも、1秒間の開ボタンの長押しが必要で、安全のための制御が施してある。
これまでミニバンに乗車する場合、運転席と助手席は前席ドアから、2列目シートと3列目シートは後席のスライドドアから入るしかなかった。新型ステップワゴンは、荷物の積載に使うだけだった車両後部のテールゲートから、乗車できるようになった。開発責任者を務めた、本田技術研究所 執行役員 四輪R&Dセンター 車体・安全戦略担当の袴田仁氏は、「全方位からアクセスできる唯一のミニバン」と胸を張る。
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