第4次産業革命で“破壊”される前に
ドイツ・ハノーバーで開催中の「ハノーバーメッセ2015」を取材する機会に恵まれました。予想はしていましたが、それ以上といえるのが「インダストリー4.0」への傾倒です。インダストリー4.0は、ドイツ連邦政府が産官学で一体となって押し進めるモノづくり革新ですが、2011年のハノーバーメッセで発表されたのが最初です。そのため、ハノーバーメッセは毎年の進捗状況を確認する場と見られており、ほとんど全ての企業がブースやプレスリリースなどで取り組みの状況や認識などを発表しています。
注目すべきなのが、オートメーション関連機器や製造機械などのメーカーだけでなく、これらの企業に製品を提供する部品メーカーや、システムインテグレートを行う企業までもが全て「インダストリー4.0用の部品」や「インダストリー4.0レディ」などをうたっていることです。1つのビジョンが定まり、そこに向けて一致団結して動きが進めば、これほどの力を生み出すのかと、驚きを感じました(関連記事:ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】)。
さて、インダストリー4.0に関しては、ドイツ国内でも「製造のノウハウを守れるのか」や「人の職場を奪うのではないか」という議論があります。これらは日本の製造関連企業がインダストリー4.0やICTの力で製造プロセスを統合する動きに対して、懸念する内容と同じことだと思います。日本ではこれらに加えて企業同士の利害関係の調整が難しくなかなか1つの動きにまとまり切れない状況です。その中で、1つ興味深い話を聞きました。
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