「カローラ」が予防安全性能評価で満点を獲得した意義:安全システム(2/4 ページ)
最近になって自動車の広告で頻繁に見かけられるようになった「ASV+」のマーク。JNCAPの「予防安全性能アセスメント」で最高クラスの評価を得たことを意味している。大幅改良された「カローラ」が2015年度に入って初のASV+を満点で獲得したが、そこには大きな意義があった。
「最高クラスの評価」をうたうASV+だが……
予防安全性能アセスメントでは、まず先進安全車(Advanced Safety Vehicle)を意味する「ASV」という認定がある。ASV+は、このASVを上回る予防安全性能を有していることになる。
各社が「最高クラスの評価」をうたうASV+だが、実のところASV+の中にもピンからキリまである。なぜなら、予防安全性能アセスメントの評価点は満点だと40点になるのだが、ASV+は12点以上の車両に与えられるからだ。例えば、2014年度の予防安全性能アセスメントのうち、満点の40点を獲得したのは、ステレオカメラを使った運転支援システム「EyeSight(ver.3)」を搭載する富士重工業の「レヴォーグ」と「WRX S4」、日産自動車の最新の運転支援システムを採用する「スカイライン」、トヨタ自動車の最高級車「レクサスLS」だけだ。しかし、ASV+を獲得した車両は、この4車種を含めて15車種ある。また、評価点が2点以上であれば得られるASVは11車種が獲得しているのだ。
自動ブレーキへの配点が32点
40点という評価点は、前方車両との衝突被害を軽減する「被害軽減ブレーキ」、いわゆる自動ブレーキと、車線内からの逸脱を検知してドライバーに知らせる「車線はみ出し警報」、いわゆるレーンキープの2項目で配点されている。自動ブレーキの配点は大きく、40点中32点を占める。
自動ブレーキの評価点は、時速10〜60kmで走行する試験車両を、模擬車両(ターゲット)に後方から接近させての作動試験により行う。模擬車両が止まった状態と、時速20kmで走行している場合の2種類の試験があり、衝突を回避した場合や、衝突した場合でも、衝突前の低減できていた速度に応じて得点が与えられる。
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