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桜の花の落ちるスピード「秒速5センチメートル」は正しいのか?:流体力学で検証(2/3 ページ)
桜がきれいな季節ですね。“あのアニメ”を見て死にたくなった人も、どうぞご覧ください。
CFDによる結果
まずCFDでの計算にあたり、CADで桜の花びらのモデルを作成します。
次に花びらを囲む空間を作成します。
「自由落下計算」という手法を用いて計算すると、花びらが落下する軌跡と姿勢が求まります。
落下する状態の動画(スローモーション)
CFDによる桜の花びらの落下速度の平均は秒速1.8mでした。この計算条件は無風状態ですが、もし秒速1.75mの上昇気流があれば、落下速度は秒速5cmになる計算とのことです。
計算結果
落下速度をv[m/s]、質量をm[kg]、抵抗係数をCD、空気密度をρ=1.2kg/m3、面積をS[m2]、重力加速度をg=9.8m/s2とすると、以下になります。
重力により落下速度が上昇すると、流体抵抗により減速し、一定値(終端速度)に落ち着きます。この際、dv/dt=0であるので、終端速度vは以下となります。
花びらが、幅20mm、長さ30mm、厚さ0.5mmの楕円とすると、面積S=471mm2、また、花びらの密度を300kg/m3として、抵抗係数CDは円板での値1.2を採用すると、以下になります。
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