シーメンスが提案するIoT時代のPLM戦略、FAやMESとの統合も可能に?:PLMニュース(1/2 ページ)
IoT(モノのインターネット)化が進み、市場環境の変化が予測される中で製造業にとって重要となる製造プロセスのデジタル化。Siemens PLM SoftwareのDave Taylor氏が、同社のPLM製品における事業戦略について語った。
米国Siemens PLM Software(以下、シーメンスPLM)の日本法人であるシーメンスPLMソフトウェアは2015年3月20日、東京都内で記者向け説明会を開催し、Siemens PLM SoftwareのVice PresidentでありGlobal Marketing担当を務めるDave Taylor(デイヴ・テイラー)氏が、同社のグローバル・マーケティング戦略について説明を行った。
自動運転車や無人航空機(ドローン)、スマート家電など、モノとインターネットがつながることで、これまでにない価値を持つ製品が登場し始めている。テイラー氏はこうしたいわゆるIoT(モノのインターネット)化の流れがさらに加速することで、製造業には従来と異なる市場でのビジネスチャンスが訪れると説明する。
しかし、これは同時に市場における企業間競争の変化にもつながる。市場が異なれば、これまでは“異業種”と捉えていた新たな企業との競争を強いられる可能性があるからだ。テイラー氏はこうした実例として「例えばこれまで自動車メーカーは、他の自動車メーカーとの競争だった。しかし現在では、AppleやGoogleなども自動車市場への参入を進めており、自動車メーカーの競合相手はこれまでとは変わりつつある」と語る。
また同氏は、いわゆるIoT化が進むことによる製造企業への影響として、企業側はユーザーがどのように製品を利用しているのかという情報を得られるようになった点に言及する。製造業はこうした情報を製品開発に活用し、さらに“異業種”だった企業も加わる新たな市場の中で競争力を保つために、製品を短期間に投入することが求められつつある。テイラー氏は、そこで重要になるのが製造プロセスのデジタル化であると主張する。
同氏はこうした製造プロセスのデジタル化について、「多くの企業がデジタル化を進めていると主張するが、実際にはこれまでアナログだった既に存在する部分をデジタル化したにすぎない」と語り、続けて「シーメンスPLMは、製品を実現するまでの“全て”の過程をデジタル化し、さらに製造プロセス以外のシステムとも連携する“デジタルエンタープライズ”という全く新しいプロセスを実現することが重要だと考えている」と、同社のビジョンについて説明した。
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