iPS細胞が自分にとってどう役立つのかを知る、日本科学未来館が新展示:医療技術ニュース(1/2 ページ)
日本科学未来館は2015年3月20日から、同館5階常設展示の「生命」エリアをリニューアルした「細胞たち研究開発中」などの新展示を公開する。注目を集めるiPS細胞をきっかけに、幹細胞と再生医療について基本から先端研究まで幅広く来館者に学び考えてもらうことを目的にした展示となっている。
日本科学未来館は2015年3月18日、同館5階常設展示の「生命」エリアをリニューアルした「細胞たち研究開発中」などの新展示を記者向けに公開した。同年3月20日から一般公開する。
細胞たち研究開発中は、注目を集めるiPS細胞(人工多能性幹細胞)をきっかけに、ES細胞(胚性幹細胞)や体性幹細胞といった幹細胞と再生医療について、基本から先端研究まで幅広く来館者に学び考えてもらうことを目的にした展示となっている。
同館館長の毛利衛氏は、「当館の展示は、未来に関わる技術を科学者が監修したものを、来館者に理解してもらった上で、その未来の中から1つの方向性を自身で選択したり、見解を持ってもらったりすることをコンセプトとしている。新展示の細胞たち研究開発中では、京都大学教授の山中伸弥氏が、ヒトiPS細胞の作製でノーベル賞を受賞したことによって、一気に身近になってきた細胞に焦点を当てた。展示のキーワードは『細胞と自分の関わり』になる」と語る。
展示の総合監修を務めた発生生物学の第一人者である東京大学名誉教授の浅島誠氏は「最も苦労したのは、『大きなケガをするなどしたときに幹細胞をどう使って治療するのか』といったように、来館者自身にとって幹細胞がどのように役立つのかを知ってもらうところだった。そして、生命の基本単位である細胞の持っている力を理解していただき、命とは何か、『私』とは何かを考えるきっかけになればうれしい」と展示の狙いを説明する。
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