ルノーと日産がカーナビにLinuxを全面採用、サプライヤはボッシュ:車載情報機器
Renault(ルノー)と日産自動車が、GENIVIアライアンスが推進しているカーナビゲーションシステムなど車載情報機器のオープンプラットフォームを全面採用する。同プラットフォームのリファレンスOSはLinuxだ。
車載情報機器のオープンプラットフォームの構築を推進する非営利団体・GENIVIアライアンスは2015年3月10日(米国時間)、Renault(ルノー)と日産自動車が、両社の車載情報機器の共通化に向けて、同アライアンスのプラットフォーム(以下、GENIVIプラットフォーム)を採用すると発表した。
開発中の車載情報機器が完成すれば、ルノーと日産自動車の車両に標準搭載される車載情報機器は、大衆車から高級車まで全てGENIVIプラットフォームとなる。また、この車載情報機器はRobert Bosch(ボッシュ)が一括して供給する。
ルノー・日産アライアンスは、車両設計の基礎となるプラットフォームにモジュールコンセプトを持ち込んだ「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」の導入を進めており、車載情報機器の共同開発とGENIVIプラットフォームの採用もその一環とみられる(関連記事:日産のCMFは新車の開発投資を40%削減可能、新型「エクストレイル」から導入)。
ルノー・日産アライアンスで電気電子&システムズエンジニアリング部門のグローバル統括部長を務めるAlexandre Corjon氏は、「ルノー・日産は、GENIVIプラットフォームが車載情報機器の新たな標準になると考えている。品質を高め、多くのソフトウェアモジュールを再利用できるのでコストを削減できる」と語る。
GENIVIプラットフォームはLinuxベース
2009年3月に結成されたGENIVIアライアンスには、ルノーと日産自動車の他、BMWやDaimler(ダイムラー)、ホンダなどの自動車メーカーの他、ボッシュやデンソーなどのティア1サプライヤ、IntelやARMなどの半導体メーカー、ソフトウェアベンダーが参加している。
同アライアンスは、機能が複雑化する車載情報機器のミドルウェアを非競争領域に位置付け、それらをモジュール化して参加メンバーで共有し、車載情報機器の開発コストを削減することを活動の目的としている。ベースOSはLinuxで、現在はLinux Foundation傘下の車載情報機器関連のオープンソースプロジェクト「Automotive Grade Linux(AGL)」(関連記事:Automotive Grade Linuxが開発成果を発表、リファレンスは「Tizen IVI 3.0」)や、AGLがリファレンスとする「Tizen」(関連記事:Intelの車載情報機器に対する深いこだわりから生まれた「Tizen IVI」)などと連携している。
今回、ルノーと日産自動車が開発する車載情報機器は、高級車に搭載する高性能のものから、大衆車に搭載する汎用的な性能のものまで、異なるハードウェアにGENIVIプラットフォームを実装することになる。なお、両社の開発成果となるミドルウェアは、GENIVIアライアンスに参加するティア1サプライヤが再利用できるようにする方針だという。
車載情報機器へのLinux採用は拡大している。例えば、トヨタ自動車が2014年7月に国内発売した新テレマティクスサービス「T-Connect」に対応するカーナビゲーションシステムもLinuxを採用している(関連記事:トヨタの新テレマティクス「T-Connect」はマイクロソフト+IBM+Linux?)。
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