「レクサスRC」のハイブリッドモデルが日本市場だけで売られる理由:今井優杏のエコカー☆進化論(16)(3/4 ページ)
初代「プリウス」が1997年に発売されてから17年。もはや特別な存在ではなくなったハイブリッド車について、新型「アルファード/ヴェルファイア」と「レクサスRC」のハイブリッドモデルから、筆者の今井優杏氏が国内市場での売れ行きを考察する。
「なんだかシートアレンジばっかり取り上げられてて、さみしいです〜(涙)」
とはいえ、この新型アルファード/ヴェルファイアの報道陣向け資料には、見事なまでにハイブリッドシステムの説明が省略されているのです。そこにあるのは燃費の数字とほんの少しの新技術の説明があるのみ。
「燃費と走りの質感の向上には本気で取り組んだんですけど、なんだかシートアレンジばっかり取り上げられてて、さみしいです〜(涙)」と、とあるエンジニア氏が涙目におっしゃっていましたが、いや、どちらの気持ちも分かります。
まるでクルーザーのごときゴージャスなインテリアがウリの同車、シートアレンジや快適装備の説明にページを割いたほうが、セールスには効果的ではあるでしょうし。
しかし、このTHS-IIはかなり高度なもので「楽勝楽勝、だってハリアーで構築したモノをポン付けしたらいいんだもん」、なんてワケにはいかないのも分かるのです。バッテリー、ブレーキ、エンジン、その全てについて車格にあった協調制御を施す必要があり、さらに先代よりも高い燃費性能を求められるのは時代の常。というわけで、かなりの本気(マジ)ブラッシュアップがなされています。
実用域でトルクが出るようにコントロールされ、実用出力は10〜15%も向上されているんだそうです。結果、カタログ上の出力数値はパッとしないんですが、乗り始めると嬉しい誤算かのようにスッキリとした加速が楽しめます。
多分こういう技術も、ハイブリッドの存在自体に慣れちゃった日本国民的には、ふーんそう、みたいな感じなんでしょうねぇ。次期(4代目)プリウスに搭載されるといわれている「THS-3」が出てきたら大注目なんでしょうけど、もうTHS-IIには、消費者も慣れきってしまっているのかもしれません。
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