富士通が貫く福島発“メイドインジャパン”としての誇り:メイドインジャパンの現場力(4)(1/4 ページ)
富士通のデスクトップPC生産を担う富士通アイソテックは、同社のデスクトップPCの累計出荷台数が2000万台を達成したことを発表。今や多くのメーカーが当たり前のようにPC生産の海外移転を進める中、福島県伊達市に本拠を置き、独自の生産プロセスの改善によって日本国内での生産を続けてきた同社の取り組みを紹介する。
富士通のデスクトップPC生産を担う富士通アイソテックは2015年2月20日、同社のデスクトップPCの累計出荷台数が2000万台を達成したことを発表。同日に記念式典を開催した。今や多くのメーカーが当たり前のようにPC生産の海外移転を進める中、福島県伊達市に本拠を置き、独自の生産プロセスの改善によって日本国内での生産を続けてきた同社の取り組みを紹介しよう。
58年の歴史を誇り、“メイド・イン・ジャパン”を貫く工場
富士通アイソテックは富士通とクロサワとの共同出資により、1957年に黒沢通信工業として東京都鎌田市に誕生した。その後、1975年に現在の福島県伊達市に工場を開設し、1985年から社名を富士通アイソテックに変更して今に至る。
現在は約800人の従業員体制で、富士通のデスクトップPCおよびサーバ事業に加え、機械精密加工や教育事業などを手掛けており、富士通のリサイクルセンターの東日本拠点としての機能も備えている。富士通製の国内市場向けのデスクトップPCの生産は、個人向けおよび企業向けのほぼ全てを富士通アイソテックが担っている。
富士通アイソテックは1994年から店頭向けデスクトップPCの生産を開始し、1999年に企業向けデスクトップPCを、2001年からはPCサーバの生産も手掛けている。富士通アイソテック 代表取締役 社長の岩渕敦氏は「1994年にデスクトップPCの生産を開始してから10年後となる2004年に累計出荷台数1000万台を達成した。そこからさらに約10年を経て2000万台に到達することができた。一見順調な推移に見えるが、実際には多くの苦労があった」とその歩みを振り返る。
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