デジタルクラフト的お絵描きモノづくりが輝きを放つ!!:「Product for 1000」挑戦記(3)(1/2 ページ)
「Product for 1000×3Dモデラボ×Mozilla Japan」特別企画。モノづくりド素人が「Product for 1000」というフレームワークを使い、デジタルモノづくりに挑戦するプロジェクトを開始した。今回は各メンバーが考案したプロダクトのプレゼン大会の模様をお届けする。
何を作るかが決まったら、次は「どうやって作るか?」「そもそも、作ることができるのか?」を検討していきます――。この過程では「試作」が重要となります。
モノづくり素人たちが一つ一つステップを踏みながら、身体を張ってデジタルモノづくりを体験する「『Product for 1000』挑戦記」! これまで、使用シーンの設定や設計フィードバックなどを実施。モノづくり素人のメンバーたちも、自分が作ろうとするモノに対する“観察眼”が養われてきた様子です。
第3回となる今回は、2014年末に行ったプレゼン大会の様子を踏まえ、それぞれのプロダクトを紹介していきます。最終的にどのアイデアが「カタチはまだない」プロジェクトの正式プロダクトに選ばれたのでしょうか?
うでみさん:「ゆ」のみ
平仮名の「ゆ」のカタチをした湯のみ、「『ゆ』のみ」作りに挑戦するうでみさん。最初の試作ではダダこぼれだったお茶を、こぼさずに飲めるよう改善したいとのこと。「むしろ存在感、見た目のインパクトとは裏腹に、意外とちゃんと使える“ニクいやつ”にしたい」と“湯のみ性能”について定義。その上で、原点に立ち返り、「ぼこっとした立体文字の面白さ!」を伝えたいという。
仮に“ジョークグッズ”であったとしても、「性能」を定義するのは大事なことです。「ゆ」のみをいかに文字として「ゆ」たらしめ、また「湯のみ」として機能させるのか、その塩梅が絶妙なのです。文字シリーズに並々ならぬこだわりがある、うでみさんの野望は、素人からデザイナーに成り上がって!? 「稼げるMAKERS」=「食っていけるMAKERS」になることです。過去の立体文字シリーズも「3Dモデラボ」上でなかなか評判だったそうで、「ゆ」のみの商品化を目指します!
ここで大事なのは「謎さ」です。ということで、立体文字をどう見せるのが面白いのかを考え、最低限湯のみとして機能するように作っていくことに。あくまで「面白い3Dデータ作ったよ」「面白い湯のみ作ったよ」という軽いノリで、しかもツボは外さずにいきたい……と、いつしか製品開発のミーティングではなく、芸人のネタ合わせのような会話になっていきました。
dyamaokaさん:たまご型収納ケース
「iPhone」の充電ケーブルをスマートに持ち歩ける「たまご型収納ケース」を作りたいdyamaokaさん。モノの形はおおむね決まっていたので、さてどんな方向に製品をバージョンアップさせるのかと期待していたら……。なんと、開発者を募集する「金の卵プロジェクト」に変ぼうしていました!!
モノとしてのたまご型収納ケースの限界を突破すべく、クラウドエンジニアリングプロジェクトにしてしまおうという独自路線へ。期待していたカタチのブラッシュアップはせず、レンダリングだけ金にしてきたという開発会議ちゃぶ台返し的なプレゼンに関係者一同、目が点に。
さすが、企画の仕事をしているだけあって大胆なアイデア(!?)です。前回の記事のように、「われわれのプロジェクトに参加したい人も募集〜」とゆるっと書いただけでは人は集まりません。ならば「開発者のたまごたちと、金のたまごを作るのだ!」ということらしいです。気になるのが、「1000個のたまごを作るプロジェクトに開発者のたまごを若干名募集」と書いてあります。いつから1000個のたまごを作るプロジェクトになったのでしょうか……。往々にして、チーム全体の意思統一とは難しいものですが、いつの間にか「Egg for 1000」になっていたとは(笑)。
やぎさわさん:家庭円満デバイス
ついに本音丸出し(!?)となったやぎさわさん考案の「家庭円満デバイス」。“今から帰るよ”メールを忘れずに、簡単に送信できるデバイスとのことですが、電車の中吊りで見掛ける、「満員電車でお腹がいたくなったときに飲みたい薬」のようなリアルさと説得力があるプレゼンを展開するやぎさわさん。
臨場感溢れる、帰宅連絡を怠ったヒヤリ・ハット事例の反省から、いかに円滑な夫婦関係もとい帰宅連絡をするか、という点についての考察が光ります。やぎさわ家の家庭円満を願わずにいられない!
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