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ホンダが立駐対応の3列シートハイブリッド車「ジェイド」の投入で目指すもの4代目「オデッセイ」や「ストリーム」の後継車(2/4 ページ)

ホンダが発表した3列シートの新型ハイブリッド車「ジェイド」。「1550mm未満の機械式立体駐車場の制限に対応する3列シートのハイブリッド車」という車両は日本国内には存在しない。この“オンリーワン”といえる新型車をホンダはどういった狙いで開発したのか。

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低車高かつ3列シートを実現する低床プラットフォーム

 ジェイドの外形寸法は、全長4650×全幅1775×全高1530mmだ。全高を1550mm未満の機械式立体駐車場の制限に対応させることで都市部での利用に配慮し、さらに低重心設計にすることで走行安定性を高めている。こうしたクルマとしての使い勝手と車室内空間の確保を両立させるために、ジェイドにはリヤサスペンションや床下部品を小型化して効率良くレイアウトする超高密度低床プラットフォームが採用されている。


超高密度低床プラットフォームの概要(左)と新開発のフューエルポンプモジュール(右)(クリックで拡大)

 この超高密度低床プラットフォームを実現する上で、最も大きく貢献したのがジェイド専用に設計された薄型の燃料タンクだという。また、タンクの薄型化に伴いフューエルポンプモジュールも2ベントシステムの新開発のものが採用されている。

IPUをセンターコンソール部分に

 この他にもジェイドには、低床プラットフォームを実現するために、アッパーアームを湾曲して3列目シートの足元をフラットにできるダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションや、従来比でサイレンサーを30%薄型にした排気システムなど、新開発の専用部品を搭載している。これら2つは、主に3列目シート部分の居住空間の確保に貢献している。このようにジェイドは、「3列シート6人乗り」というミニバンのようなフレキシブルな居住空間を実現するためのさまざまな工夫がこらされた。そういった工夫の中で最も特徴的なのが、IPU(インテリジェントパワーユニット)のレイアウトだ。

IPUをセンターコンソール部に組み込むことで、3列目シートの居住空間を確保している(左)。会場にはセンターコンソール部のカットモデルが展示された(右)(クリックで拡大)

 ジェイドは、排気量1.5lの直噴ガソリンエンジンと1モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD(以下、i-DCD)」を組み合わせたパワートレインになっている。これはホンダの「ヴェゼル」のハイブリッドモデルととほぼ同じ構成だ。しかしジェイドは、3列目シート部分の居住空間を確保するために、電池パックやインバータ、DC-DCコンバータなどを内蔵するIPUを、1列目シートのセンターコンソールに縦置きで搭載している。このレイアウトはホンダのハイブリッド車では初となる。

Vスライドキャプテンシートの概要(左)。2列目シートのレールがリヤホイール部分を避けるように後方に向かってV字に設置されている(右)(クリックで拡大)

 また、“フレキシブルな居住空間の確保”という意味では、2列目シートのスライド機能にも工夫がこらされた。その1つが新開発となるレールを車両後方に向かってV字に配置するVスライドキャプテンシートだ。レールをV字型にして、車室内で後輪のハウジングが占めるリヤホイール部分を避けるように設置して、真っすぐ配置するよりもレールの長さを稼いでいる。これにより、2列目シートのスライド幅を大きくすることで、乗車時の快適性を高めたという。

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