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メーターにディスプレイが付いたら分かりやすくなって驚いた!いまさら聞けない 電装部品入門(17)(4/5 ページ)

速度計や回転計、燃料計などさまざまな計器を1つにまとめた電装部品がコンビネーションメーターだ。単にメーターと呼称されることもあるが、急速に採用が広がっているマルチインフォメーションディスプレイによって、車両に関する情報を格段に分かりやすくドライバーに伝達できるようになっている。

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ハイブリッド車に必須の燃費制御に関する情報も表示

 ハイブリッド車に関しては、燃費を意識せずに購入されている方は限りなく少ないわけですから、燃費制御に関する情報表示は非常に喜ばれる機能の1つです。

 そのために用いられる「燃費運転支援」ですが、こちらはマルチインフォメーションディスプレイ上でイラストなどを用いた分かりやすい表示を行うのが一般的です。従来も、燃費が良い状態で走行しているとメーター内にあるランプが緑に光る、荒い運転をするとランプが消えるといった形で情報を伝達していますが、より具体的になったといえるでしょう。

燃費運転支援の表示例
燃費運転支援の表示例

 この写真に用いた車種の場合、加速しすぎ(アクセルペダルを踏みすぎ)の場合は、自動車のイラストが真ん中のラインよりも前へ進み、背景は緑から青色へと変化します。逆に減速しすぎ(ブレーキペダルを踏みすぎ)の場合は、イラストが後ろへ下がり、こちらも背景が緑から青色へと変化します。

 理想的な運転をしていれば背景は緑のままで、さらにイラストは真ん中のラインを維持します。

 ちょっとしたゲーム感覚といいますか、何となくの感覚で燃費運転を行えるだけではなく、実際の電気信号(アクセルペダルの踏み込み量)を基にした結果をリアルタイムで表しますので、意地でも緑のままで走行したくなる演出が施されています。

 ここまでの機能が備わっていなくても、今は燃費に良い運転をしていますよという情報が表示されているだけで、不思議なことにドライバーは褒められた気分になってそれを維持しようとしたくなるものです。

 この機能はカタログ燃費を向上させるというよりは、実燃費を良くするための仕掛けといえるでしょう。

平均燃費/瞬間燃費の例
平均燃費/瞬間燃費の例燃費運転支援の例

 「平均燃費」は、オドメーター内の「トリップA」で積算中の走行履歴における平均燃費を表示します(トリップAをリセットすると、平均燃費もリセットされます)。また、「瞬間燃費」は、リアルタイムの燃料消費量を算出した結果が表示されます。

 瞬間燃費はその時のインジェクタ噴射量および車速から演算した結果を表示します。つまり瞬間燃費で最も良好な値は、エンジンブレーキなどで燃料噴射量がゼロの状態ですね。

 逆に最低値は電気負荷が最大かつアクセル全開状態、さらに完全冷機状態などの悪条件が重なった瞬間といえるでしょう。

 この瞬間燃費を延々と積算した結果が平均燃費となりますので、平均値を良くしようと思うと常に燃費運転を心掛ける必要がありますね。

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