自動車保険の運転支援サービス向けドラレコ、IoT技術を活用:車載情報機器
東芝は、損害保険ジャパン日本興亜が2015年3月から開始する企業向け安全運転支援サービス「スマイリングロード」向けに通信機能付きドライブレコーダーを供給する。
東芝は2015年2月3日、損害保険ジャパン日本興亜が同年3月から開始する企業向け安全運転支援サービス「スマイリングロード」向けに通信機能付きドライブレコーダーを供給すると発表した。
スマイリングロードは、損害保険ジャパン日本興亜が、自動車保険フリート契約を結ぶ企業の社有車向けに東芝の通信機能付きドライブレコーダーを貸与し、収集した走行データからビッグデータ解析を行って、安全運転支援に結び付けるサービスだ。
具体的には「見える」「わかる」「ほめる」という3つの機能を使って、ドライバーおよび管理者に安全運転診断や危険運転などの情報をスマートフォンやWebサイトなどにフィードバックする。これによって、ドライバーの安全運転意識向上や管理者の効率的な指導を支援が可能になる。
スマイリングロードの価格は月額で1800円(税別)。ドライブレコーダーの貸与、ドライバー向けのアプリやWebサイト、管理者向けWebサイトなどの各種サービスの利用料が含まれている。初期費用は掛からないが、最低1年間の継続利用が必要である。また自動車保険フリート契約に加入している全車両にスマイリングロードを同サービスを導入した場合、自動車保険料は5%割引されるという特典もある。
IoT技術を活用して開発
東芝は、このスマイリングロードに必須となる通信機能付きドライブレコーダーの供給とともに、保守とメンテナンスも担当する。
このドライブレコーダーは、東芝のIoT(モノのインターネット)技術を活用して開発した。GPSや加速度センサー、カメラ、3Gによる通信機能を備えており、車両の走行データを効率的に取得/保存し、送信することができる。走行データは、通信回線を経由してデータセンターに蓄積し、損害保険ジャパン日本興亜が独自のアルゴリズムによって分析する。同社はこの分析結果を、契約対象となる企業に対して、安全運転を支援するスマイリングロードのサービスとして提供することになる。
関連記事
- 「ぶつからないクルマ」は保険料を割引、アメリカンホーム保険が2013年9月から
アメリカンホーム保険は、同社の個人向け自動車保険「ファミリー自動車総合保険」に、「国内初」(同社)となる「衝突被害軽減ブレーキ装置割引」を導入すると発表した。衝突被害軽減ブレーキ装置とは、富士重工業の「EyeSight」に代表されるプリクラッシュセーフティシステムのことである。 - 「ぶつからないクルマ」の保険割引が中止に、金融庁の認可が必要だった
アメリカンホーム保険は、「衝突被害軽減ブレーキ装置割引」を導入する予定だった個人向け自動車保険「ファミリー自動車総合保険」の商品改定を急きょ中止すると発表した。これは、金融庁が、衝突被害軽減ブレーキ装置を割引可能な安全システムとして認可していなかったためである。 - 運転スコアに応じて保険費用を低減!? サイバーエージェント出資のスマホアプリ
サイバーエージェントは、ドライバー向けのAndroidアプリ「Dash」を開発/提供する米国ベンチャー・Dash Labsに出資した。Dashを利用すれば、ドライバーの安全運転や燃費のよい走行から得られる運転スコアに応じて自動車保険や自動車用品のディスカウントを受けられる。 - プローブ情報の使い道は渋滞予測だけじゃない、日産「リーフ」の自動車保険にも
日産自動車は、電気自動車「リーフ」に搭載されているカーナビゲーションシステム(カーナビ)の通信機能で取得したプローブ情報を、損保ジャパンが新たに始める自動車保険「ドラログ」向けに提供する。損保ジャパンへのプローブ情報提供には、日立製作所が開発した「日立テレマティクスデータ加工配信サービス」を採用した。 - トヨタ自動車がビッグデータ市場に参入、プローブ情報を自治体や企業に提供
トヨタ自動車は、テレマティクスサービス「G-BOOK」を通じて収集/蓄積したプローブ情報を加工して提供する「ビッグデータ交通情報サービス」を開発した。併せて、スマートフォン向けのテレマティクスサービス「smart G-BOOK」についても、プローブ情報を利用したルート案内などを追加して一新する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.