Google月面探査レース参加の日本チーム、開発資金6000万円を獲得:宇宙開発
月面探査を競う国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に参加する日本の民間宇宙探査チーム「HAKUTO(ハクト)」が中間賞を受賞。賞金50万米ドル(約6000万円)を獲得した。
米国の非営利団体であるXPRIZE財団は2015年1月26日(米国時間)、同財団が運営する民間企業による月面探査を競う国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」において、日本の民間宇宙探査チーム「HAKUTO(ハクト)」が中間賞(走行系)を受賞し、賞金50万米ドル(約6000万円)を獲得したと発表した。
Google Lunar XPRIZEとは、2016年12月31日までに民間資金で開発した無人探査機を月面に着陸させ、着陸地点から500m以上移動し、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信するまでの順位を競うレース。米国のGoogleがスポンサーを務めており、その賞金総額は約4000万米ドル。世界10カ国以上から18チームが参加しており、ハクトは日本から唯一の参加チームだ。
今回ハクトが受賞した中間賞(Milestone Prize)とは、探査機の打ち上げに先駆けて、各チームに対しての開発資金の援助などを目的に設けられた。「イメージングサブシステム」、「モビリティサブシステム」、「ランダーシステム」の3つの部門が用意されており、ハクトはモビリティサブシステム部門での受賞となった
ハクトは、小惑星探査機「はやぶさ」などの開発に携わる東北大学大学院 航空宇宙工学専攻 教授の吉田和哉氏などが参加する日本発の宇宙開発チーム。今回の中間賞は、同チームが開発を進めている小型の月面探査ローバー「Moonraker」と「Tetris」での受賞となった。
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