3Dプリンタもあるよ! ――「出張まち工場」とは?:zenmono通信(2/3 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、川田製作所 副社長 川田俊介さんが登場する。
enmono宇都宮氏 (町工場発の商品として)金属を削り出して作ったテトラポッドとか。
川田氏 テトラポッドは茅ヶ崎市にある(金属加工業の)ダイショウさんの製品です。ガラスの一輪挿しは、秦野市の(ガラス・石材加工業の)メイク小泉さんの作品です。
enmono宇都宮氏 こちらの刺繍(ししゅう)も、「出張まち工場」に関係があるんですよね(以下の写真)。
川田氏 本業ではありませんが、制服に名前を刺繍する仕事もしていまして。知り合いの制服屋さんから「ネーム入れの仕事をやってくれないか」と相談され、刺繍機を使いたくて請け負うことにしました。ネーム入れの仕事は2〜3月までの入学前の期間だけが忙しいので、刺繍機を有効活用するためにユーザー参加型の商品を企画しました。お子さんが描いた絵を「出張まち工場」でお預かりしてデータ化し、Tシャツに刺繍します。
enmono宇都宮氏 通常はTシャツの持ち込みはできませんが、今回特別に、私が普段着ている服にzenmonoのロゴを刺繍していただきました(以下の写真)。きれいに出来ていますね。ありがとうございます。
川田氏 「出張まち工場」からさまざまな活動が派生していて、2014年11月1日から小田原駅前の地下街で「出張まち工場」の常設販売を始めます(※対談当時は開始以前)。
enmono宇都宮氏 機械も持ち込むのでしょうか?
川田氏 壁面を利用したウォールショップなので、商品だけ並べます。2014年8月には弊社の工場で、「世界に1つだけのクッキーカッターを3Dプリンタで作ろう」というワークショップを開催しました。地元の親子を対象にした、小田原の生業を体験するイベントの一環です。子どもたちに絵を描いてもらって、スタッフが2次元のスキャナに取り込んで3次元CADでデータ化し、3Dプリンタで造形します。応募から1週間で満席になるほど、人気がありました。
enmono宇都宮氏 小田原近辺では、3Dプリンタやメイカーズ系の関連のイベントはなかったのですか?
川田氏 そうですね。小田原初の試みということで、お父さんたちも多数参加してくださいました。3Dプリンタで造形しにくい形状があり、3Dプリンタを購入した当初はノウハウもなく、思ったより上手く作れないことが多かったですね。弊社はもともと3次元CADなどを使っていたわけではありません。3Dプリンタが3次元CADを使うきっかけにもなって、(弊社の)若手も一緒に3Dプリンタでモノづくりをしています。
enmono宇都宮氏 ワークショップはここで開催されたのですか?
川田氏 プレスの仕事をしている第1工場で開催しました。ここ(対談の現場)は今、新しい企画に向けての秘密基地になっていて、第2工場と呼んでいます。今後、「出張まち工場」の活動をキャンピングカーに積んで、車ごと出張したいと考えています。キャンピングカーは前の会社を辞めた時に思い切って中古で買いました。
enmono宇都宮氏 キャンピングカーを「モノづくり体験型の出張カー」に改装するための費用をクラウドファンディングで集められないかということで、zenmonoで準備中なんですよね(記事掲載当時)。
川田氏 現在、「地域とつながる町工場の出張カーを作るプロジェクト」をサポートしてくださる方を募集しています。
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