工業用バネから生まれた大人のステーショナリーグッズ:中小製造業ニュース
松村鋼機は、自動車や産業機器の部品として利用されている同社の「スクロウエイブスプリング」を、ステーショナリーグッズに応用した「Waveclips」の通販サイトをオープンした。
工業部品に使われるバネや止め輪を手掛ける松村鋼機は、自動車や産業機器の部品として利用されている同社の「スクロウエイブスプリング」を、ステーショナリーグッズに応用した「Waveclips」の通販サイトを2015年1月5日にオープンした。
スクロウエイブスプリングは、一般的に「コイルドウェーブスプリング」と呼ばれ、通常のコイルスプリングの約半分の高さで同等の荷重を発生できる特殊なバネで、薄い波型のリングを巻き上げた構造が特徴である。
Waveclipsは、スクロウエイブスプリング特有の形状・機能美を生かしたステーショナリーグッズで、現在、「CARD STAND」「MAGNET HOLDER」「FILE STAND」「TICKET HOLDER」の4種類をラインアップ。従来のクリップによる「モノを挟む」という概念を見直し、360度どの方向からも複数のカードを簡単にクリップすることができ、クリップからはずす際も別のカードを落とすことなくワンタッチで引き抜くことができるという。また、単なるステーショナリーグッズとしてだけでなく、その形状の美しさからオブジェとしても楽しむことができるため、モノへのこだわりを持つ感度の高い大人へ訴求したい考えだ。
Waveclips誕生のきっかけは、工業見本市でスクロウエイブスプリングを出品していた際、ある美術大学生がスクロウエイブスプリングの造形の美しさに強い関心を示してくれたことから始まったという。同社は、Waveclipsの販売を通じて、日本の製造業の技術力の高さをアピールするとともに、広く一般に日本のモノづくりの素晴らしさを知ってもらいたいとしている。
Waveclipsの販売価格(税込)は、CARD STANDが1696円、MAGNET HOLDERが1480円、FILE STANDが1万7280円、TICKET HOLDERが1458円。今後、製品ラインアップを拡充していく予定だという。
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