一人設計屋さんと小ロット金型屋さんがKickstarterのプロジェクトを製品化する:zenmono通信(1/3 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、ミヨシ 代表取締役社長 杉山耕治さん、機楽 代表取締役 石渡昌太さんにお話を伺った。
本記事はモノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から転載しています。
enmono三木氏 本日はミヨシからお送りします。ミヨシの代表取締役社長 杉山耕治さんです。そして今回は、ゲストがもう一人いらっしゃいます。機楽の代表取締役 石渡昌太さんです。
杉山氏 よろしくお願いします。弊社はもともとプラスチック製品を一品製作していましたが、自動車部品などの試作品製作に携わるようになると「試作品だけれども数量がほしい」というような要望があり、少量生産をするようになっていきました。また、設計担当者から「金型製作をして製品を検証したくてもコストが掛かる」と相談されると、安価で早く少量生産できる方法を模索しました。1983年にはアルミ合金を開発しているメーカーさんと一緒に、アルミで金型を作る研究を始めました。
enmono三木氏 それは、お父さま(杉山文夫さん)が社長だった頃ですね。
杉山氏 そうです。その当時は、「アルミで作った金型は金型じゃない」と言われることもあったようです。論文もいくつか出し、1988年ごろには金型専門誌に掲載され、認知されるようになりました。30年以上前から取り組んでいるアルミ金型には自信があります。現在は量産金型製作はもちろん、用途によってアルミ金型を製作しています。
enmono三木氏 お父さま、チャレンジャーですね。杉山さんはメイカーズの方たちと一緒にモノづくりをされていますよね。クラウドファンディングサイトのKickstarterで話題なっているプロジェクトを「すごいな」と思いながら見ていたら、知っているミヨシさんのお名前が出ていて驚きました。そのプロジェクトを企画したのが石渡さんです。機楽さんはどのようなお仕事をされているのですか?
石渡氏 主に大企業の製品の、企画開発設計の受託設計や受託開発をしています。テクノロジーとクリエイティブの両方が求められる仕事が得意です。「企画書だけでは予算取りできないので実際に動くタイプのプロトタイプを作りたい」とか、「新しいコンセプトを実現するためにどういう仕様にすればよいか」という相談をいただきます。
enmono三木氏 Kickstarterで資金調達されたのが、こちらのロボットですね。
石渡氏 「RAPIRO(ラピロ)」という、自分で組み立てるロボットキットです。
enmono三木氏 RAPIROのボディは、ミヨシさんの方で金型を製作されたそうですね。
石渡氏 プラスチックの筐体部分の製造を全てお願いしました。
enmono三木氏 かなりパーツがありますね。外観も合わせもきれいです。
杉山氏 削ったままだと表面がかなり粗かったので、デザインをきちんと生かせるところまでずっと磨いていました。合わせについては石渡さんのこだわりもあって、きっちり合うように調整しました。
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