初飛行近づくMRJ、初号機の右舷エンジン試運転開始:メカ設計ニュース(1/2 ページ)
三菱航空機が開発する小型ジェット旅客機MRJの各種試験が本格的に開始された。エンジンの初運転や主翼の上曲げ試験などを順調に進めているという。
2015年1月13日、三菱航空機はMRJの飛行試験機初号機のエンジンの運転を初めて行った。2014年12月25日には全機静強度試験機の主翼上曲げ試験を実施しており、2015年4〜6月に行われる予定の初飛行に向けて、各種試験の取り組みを加速させている。
試運転を行ったのは飛行試験機初号機の右舷エンジン。機体に搭載されたエンジンなどの動力系統および油圧、燃料、空調、電気系統などの各種システムが総合的に作動することを確認できたという。エンジンは、MRJ向けに開発されたプラット・アンド・ホイットニー社のPurePower PW1200G。このエンジン1種のみで型式証明を取得する。今後も機体性能の確認や、開発上の技術試験など各種試験を進めていくという。試験は県営名古屋空港(愛知県豊山町)のエプロン(駐機場)で実施されている(図)。飛行試験は、名古屋空港を拠点に、北九州空港をサブ拠点として実施される予定である。
2014年10月10日から実施されている全機静強度試験では、機体の各部に想定される荷重を掛ける。今回の主翼上曲げ試験では、あらゆる飛行条件の中で想定される最大の力を掛け、予想通りの試験結果が得られたという(図)。今後も引き続き、足取り付け部分や胴体に対する荷重試験を行っていく。試験は三菱重工業 名古屋航空宇宙システム製作所 小牧南工場(愛知県豊山町)に隣接する技術試験場において行われている。
なお機体の試験には静強度試験の他に疲労強度試験がある。疲労強度試験は客室内の圧力や機体の温度変化などの繰り返しに関する試験を行う。今後、疲労強度試験についても専用の機体を用意し、技術試験場で試験する予定である。
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