「つながるクルマ」のクラウドインフラ、トヨタ子会社が外販へ:オートモーティブワールド2015
「オートモーティブワールド2015」に、トヨタ自動車のテレマティクスサービス「T-Connect」などのクラウドインフラを提供する子会社・トヨタメディアサービスが出展していた。同社が単独で展示会に出展するのは初めてのことだという。
「オートモーティブワールド2015」(2015年1月14〜16日、東京ビッグサイト)内の「第3回コネクティッド・カーEXPO」に、トヨタ自動車のテレマティクスサービス「T-Connect」などのクラウドインフラを提供する子会社・トヨタメディアサービスが出展していた。同社が単独で展示会に出展するのは初めてのことだという。
トヨタメディアサービスが出展した目的は、トヨタ自動車向けに提供しているさまざまな自動車関連のクラウドプラットフォームの外販に向けたマーケティングや知名度向上になる。
トヨタメディアサービスはMicrosoftのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を用いたT-Connectや、salesforce.comの企業向けソーシャルネットワークサービス「Chatter」を用いた販売店向けのソーシャルネットワークサービス「トヨタフレンド」などを構築し、運用を始めている。これらの他にも、レクサスブランドの車両などに用いられているテレマティクスオペレーターサービスや、豊田市で実証実験を進めている超小型電気自動車のシェアリングシステム、同じく豊田市で実証実験を行っているHEMSシステムなども提供している。
これらの実績を基に、Microsoft Azureとsalesforce.comのサービス、他のパブリッククラウドを組み合わせた「トヨタメディアサービス・コネクティッド・クラウド」の提供を始める。「インフラコストの削減だけでなく、『つながるクルマ』で重要なセキュリティ対策も充実させている。トヨタ自動車以外への外販を積極的に進めていきたい」(トヨタメディアサービスの説明員)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- トヨタの新テレマティクス「T-Connect」はマイクロソフト+IBM+Linux?
トヨタ自動車の新テレマティクスサービス「T-Connect」は、マイクロソフトの「Azure」をはじめIT系企業のサービスやソフトウェアを活用するとともに、対応カーナビである「T-Connectナビ」をLinuxベースに変更するなど、現行サービスの「G-BOOK」から大幅な刷新が図られている。 - 「トヨタはすし屋になりたい」――その心は?
第5回国際自動車通信技術展」の基調講演に、トヨタ自動車の常務役員を務める友山茂樹氏が登壇。「トヨタ方式とICTによる自動車販売革命」と題した講演の最後に、友山氏は「トヨタはすし屋になりたい」と語った。この言葉にはどういう意味があるのだろうか。 - 蜜月深めるトヨタとMicrosoft、「GAZOO.com」を「Windows Azure」で一新
トヨタ自動車は、自動車ユーザー向けWebサイト「GAZOO.com」について、Microsoftのクラウドサービス「Windows Azure」とビジネスコラボレーションプラットフォーム「SharePoint Server 2013」を用いて一新し、2013年5月30日に公開すると発表した。これにより、月間訪問者数を、現在の165万人から、2014年に200万人に増やすことを目標としている。 - トヨタが社内SNSに自動+手動の英語翻訳サービスを導入、海外との情報共有を促進
トヨタ自動車は、社内向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「TOYOTA Chatter」内に、国内拠点の日本人社員と海外拠点の外国人社員の間でコミュニケーションを活性化させるための英語翻訳サービス「SNS翻訳センター」を設置した。 - 電気自動車にはクラウドが不可欠、Microsoftとトヨタがサービス構築で提携
自動車へ移動体通信を使ってリアルタイムに情報を提供するテレマティクスサービス−。クラウド「Azure」を利用することでサービスの立ち上がりが早くなり、スマートグリッドに不可欠な家庭の電力エネルギー管理システムなどとの連携もスムーズになる。Microsoftとトヨタの提携の狙いは何か。