連載
縦弾性係数でせん断応力を計算しましたが、何か?:甚さんの「サクッと! 設計審査ドリル」(5)(3/4 ページ)
「シャフトが折れたので、強くしておきました」について説明するために、せん断応力を計算したけれど……。今回は、学問好きな良君が活躍します。
弾性係数の使い方
それから、「縦弾性係数」と「横弾性係数」は、「応力−ひずみ線図」の「弾性限度」内で使う「目利き力」なんだ。
オメェ、やるじゃねぇかい! 何度も言うが、これが設計職人として重要なポイントだぜぃ!
え〜と、難しくなってきたわ。「弾性限度」って何? 「比例限度」なら知っているんですが。
これは代表的な軟鉄の「応力−ひずみ線図」だよ(図3)。例えばS45Cに引張り応力を加えて、比例限度(σp)で解放すると、原点(0,0)に戻る。「フックの法則」や「ヤング率」って、高校の物理でも習ったでしょ? 比例限度(σp)のポイントをちょっとだけ超えた原点復帰の限界応力値を弾性限度(σe)というんだ。
甚さんのアンチョコ
要するに、そもそも「弾性」がなくなっちまった状態で、「弾性」係数を使っても意味ないっつーこった。
うわっ〜ショック! これも勘違いしてました。よく考えれば分かることですよね……。
ここは設計職人として押さえるべきポイントで、設計審査で突っ込まれる個所でもあります。弾性係数が割れやヒビや破壊には一切無関係とまでは言いませんが、「異次元の範囲」と考えてよいでしょう。それではどうしたらよいでしょうか?
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