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大手メーカーの技術をベンチャーが活用、音にフォーカスしたIoTデバイスに:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
ベンチャー企業のCerevoとInterphenomは、パナソニックの技術とクラウドファンディングを活用してクラウド型リスニングデバイス「Listnr(リスナー)」を共同開発すると発表した。日本の大手電機メーカーがベンチャー企業と提携して、海外のクラウドファンディングを利用するのは日本初だという。
パナソニックが音声認識エンジンを提供
Listnrは、ボタニカルデザイナーの江原理恵氏のアイデアを基に、Cerevoが電子回路、組み込みソフトウェア、筐体設計を担当。音声から感情を認識するエンジンはパナソニックが技術提供を行っている。2014年春ごろ、パナソニックはこの音声認識エンジンを利用した製品開発を検討しており、同年夏ごろからCerevoとプロトタイプの開発に着手。このプロトタイプが江原氏のアイデアとの親和性が高いと判断し、共同開発に至ったという。
その後、スタートアップ企業の支援を手掛けるABBAlabが事業支援を決定し、Listnrの開発企業としてInterphenomが設立された。「パナソニックのような大手電機メーカーがベンチャー企業と組んで海外のクラウドファンディングを利用する事例は日本国内では初」(Cerevo)だという。
ListnrはKickstarterで募った支援額が5万ドルに達成した時点で開発が決定。支援者に向けた製品の発送は、開発決定から8カ月後を予定しているという。また、Listnrのアプリケーションは現時点でiOS版のみのリリースだが、支援額が7万5000ドルを達成した場合は、Android版の開発も行うとしている。
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