口ベタでも大丈夫! プレゼンテーションのイロハ(その2):レイコ先生の「明日から使える! コミュニケーションスキル」(10)(1/4 ページ)
「コンテンツ」と「デリバリー」で構成されているプレゼン。今回は、デリバリーの基本について解説する。
本連載の登場人物
小山田和成(オヤマダカズナリ)
中小ソフトウェアメーカーに勤務するエンジニア。入社8年目の30歳。技術力においては社内から一目置かれる存在で今年から係長に昇格。しかし、奥手な性格でコミュニケーションは苦手。通称「カズ君」。
杉本麗子(スギモト レイコ)
外資系ソフトウェアメーカーにて人事部長を歴任。その後、中小企業診断士を取得して独立。現在は、「ツンデレ」キャラを生かして売れっ子の人事コンサルタントとして活躍中。通称「レイコ先生」。
*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。
カズ君、プレゼンの準備は順調?
ええ、なんとかコンテンツを考えることはできました。でも、本番のことを考えると緊張してしまい上手くプレゼンできる自信がまったくありません。なので資料に話す内容を全部書いちゃいます。
カズ君! それはダメなプレゼンの典型的なパターンだって説明したじゃない!!
それは分かってるんですけど……。自信がないんだからしょうがないじゃないですか……。
オダマリ!! ツベコベ言い訳しないの!!
ヒィーーー!!
……まあ、いいわ。それじゃあ、今日はプレゼンの見せ方や話し方といったデリバリーの基本について教えてあげるわね。これで少しは自信をもってプレゼンに臨めるようになるはずよ。
お願いします!
分かりやすく伝えるとは?
前回の記事では、プレゼンテーション(以下、プレゼン)は「コンテンツ」と「デリバリー」で構成されていて、デリバリーはスライドの見せ方や話し方など、内容を伝達するための手段だと解説しました。今回は、このデリバリーの基本について解説していきますが、その前に「分かりやすく伝える」とはどういうことなのかを考えてみましょう。なぜなら、伝えることの目的は相手に分かってもらうことなので、相手が分かってくれなければ、その伝え方(デリバリー)は失敗していると言わざるを得ないからです。
人間の記憶には一次記憶(短期記憶)と二次記憶(長期記憶)があるといわれています。一次記憶とは、その名のとおり作業をするために“一時的に”情報を記憶する領域のことで、記憶できる容量や時間に限りがあります。一方、二次記憶は記憶できる情報量が大きく、時間も長いのが特徴です。二次記憶に入った情報は記憶として定着するため、いつでも取り出すことができます。
図1、2を見てみましょう。どちらの方が分かりやすいでしょうか?
ほとんどの人は図2の方が分かりやすいはずです。この違いは、二次記憶にしまいやすいように情報が整理されているかどうかの違いです。つまり、分かりやすく伝えるとは、「相手が二次記憶に情報をしまいやすいように整理して伝える」ということなのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.