PTCのIoT戦略「収集データの解析が次の最重要課題」:製造ITニュース(1/2 ページ)
IoT技術の開発・利用環境の構築ソリューション強化を進めるPTCが、次に取り組む領域や同社が提供する関連ソリューションの利用形態、IoTの利用業界の現状などについて語った。
PTCは2014年12月9日に記者説明会を開催し、米PTC IoT/SLMセグメント 上級副社長のロブ・グレムリー氏が同社のIoT戦略について説明した。PTCではIoT関連ソリューションの強化を進めており、IoT関連アプリケーションの開発プラットフォームを開発するThingWorx、機器やセンサーをクラウド接続するM2MソリューションのベンダーであるAxedaを買収した。さらにこれらのソリューションと自社ソリューションとの統合を進めている。
グレムリー氏は、PTCのIoT戦略において次に重要になるのは、収集したデータの解析だとした。その一方で「IoT全体のソリューションを提供するためには、データの収集から始まり、データをマシンクラウドのような形で確保して、分析して活用するアプリケーションが必要になる。そのため全体を完全なシステムとして提供するのは簡単なことではない」(グレムリー氏)とする。
「PTC Axeda(以下、Axeda)によって、現場に配置されるデバイスからデータを収集し、ゲートウェイを介してマシンクラウドに上げるところまでは、効率的にかつセキュリティを確保しながら提供する。コネクティビティの部分に関してはAxedaで実現可能だ。またThingWorxを使うことで、データ活用のためのアプリケーションが作れる。だがデータの解析部分については、ThingWorxを用いたとしても完全ではない。解析関連技術については、自社開発か買収を介して取得するか判断することになる。これが当社の開発のロードマップの中でも最重要事項であり、また成長を見込める分野でもある」(グレムリー氏)。
クラウドベースで初期投資を抑制
ThingWorxやAxedaの利用形態については、サブスクリプション形態で、各種クラウドサーバ経由で提供可能にしていくとの方向性を示した。ThingWorxはもともとサブスクリプションライセンスの形態で提供してきたシステムで、月単位や年単位で利用できた。オンプレミスでユーザーサイドのハードウェアにインストールして利用する。一方Axedaもサブスクリプションの形態で、こちらはほとんどがクラウド経由で利用されてきた。「現在それらを組み合わせて、どちらのタイプでも導入できるよう検討を進めている」(グレムリー氏)。クラウドサーバについてはPTC提供のものの他に、現在でもThingWorxの利用者がいるAWSなどへも対応するという。
これらのアプリケーションによって、自社で一からIoT開発環境を構築する必要がなくなる。またSaaS形態で提供することにより初期投資を大幅削減できる。こういったことから大企業だけでなく中小企業もIoT開発・運用環境が導入しやすくなるとしている。
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