新型「ムーヴ」の燃費は31.0km/l、スズキ「S-エネチャージ」越えはならず:エコカー技術
ダイハツ工業は、ハイトワゴンタイプの軽自動車「ムーヴ」をフルモデルチェンジした。新開発の軽量高剛性ボディ骨格構造などにより。自然吸気エンジンの2WD車モデルのJC08モード燃費は、従来比で約7%向上し31.0km/l(リットル)となったが、マイクロハイブリッドシステム「S-エネチャージ」を搭載する「ワゴンR」の32.4km/lには届かなかった。
ダイハツ工業は2014年12月12日、ハイトワゴンタイプの軽自動車「ムーヴ」をフルモデルチェンジしたと発表した。新開発の軽量高剛性ボディ骨格構造や足回りの改良などにより基本性能を大幅に向上するとともに、後方誤発進抑制制御機能など新装備を採用。自然吸気エンジンの2WD車モデルのJC08モード燃費は、従来比で約7%向上し31.0km/l(リットル)となった。税込み価格は、一般グレードが113万4000〜149万5800円、カスタムグレードの「ムーヴ カスタム」が140万4000〜171万7200円。さらに、今回のフルモデルチェンジから追加された、上質感や高級感を追求したムーヴ カスタムの最上級グレード「ハイパー」は147万9600〜179万8200円。月間販売目標台数は1万2000台。
ムーヴは2012年12月に、JC08モード燃費を29.0km/lに向上するとともに、運転支援システム「スマートアシスト」を採用するなど大幅な改良が施されていた。今回のフルモデルチェンジでは、前回の改良であまり手が加えられなかったボディ骨格や車両プラットフォームが刷新されている。
ボディ骨格の「D monocoque」は、サイドアウターパネルの全面厚板のハイテン化を行い、構造断点を低減し、骨格全体で力を受け止める構造とした。外板樹脂化なども含めボディを20kg軽量化しながら、従来と同等の衝突安全性を確保。その上でアンダーボディに最適な補強を行い、高剛性化による基本性能向上を実現した。
足回りの「D suspension」では、リヤサスペンション、ストラットの剛性アップ、ブッシュの特性見直し、コイルスプリング/アブソーバ特性の最適化、さらにブレーキフィーリングの向上など、新型ムーヴの車両特性に合わせ、細部に至るまで最適に改良した。これにより、安心/安全かつ、フラットで快適な乗り心地を提供できるようになったとする。
「D assist」は、パワーモード切り替えステアリングスイッチで、軽自動車での採用は初となる。ステアリングスイッチで、ワンタッチ操作による「パワーモード」への切り替えを行える。エンジンやトランスミッションの制御を変更することで、アクセル操作に対するレスポンスが良くなり、出足加速時や登坂時にストレスのない運転を行えるという。
D monocoqueの採用による軽量化と、Cd値を従来比約10%低減した空力性能の向上により、JC08モード燃費が大幅に向上した。自然吸気エンジン搭載車の場合で、2WD車モデルが31.0km/l、4WD車モデルが27.6km/l、ターボエンジン搭載車の場合で、2WD車モデルが27.4km/l、4WD車モデルが25.6km/l。全てエコカー減税の免税対象となっている。
ただし、スズキのハイトワゴンタイプの軽自動車「ワゴンR」が、マイクロハイブリッドシステム「S-エネチャージ」の搭載で達成した、2WD車モデルで32.4km/l、4WD車モデルで30.2km/lというJC08モード燃費には届かなかった。
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