ホンダ「グレイス」は5ナンバーハイブリッドセダンを革新できるのか:「カローラ アクシオ ハイブリッド」と比較(2/3 ページ)
ホンダは、5ナンバーサイズの新型ハイブリッドセダン「GRACE(グレイス)」を発売した。1モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD(i-DCD)」を搭載するなどしてJC08モード燃費で34.4km/lを達成。後席の快適性や、トランクスルー可能な荷室などにもi-DCDの特徴が生かされている。
「カローラ アクシオ」のハイブリッドモデルと比較
グレイスは、2014年1月にインドや東南アジアで発売した「シティ」がベースになっている。ただしこれらの地域では、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンといった内燃機関車を販売している。ハイブリッドシステムのi-DCDを搭載するのは国内向けのグレイスだけである。またグレイスは、他のEARTH DREAMSセダンシリーズと同様に、ハイブリッドモデルしか設定していない。
5ナンバーのハイブリッドセダンであるグレイスと直接の競合となる車両は、トヨタ自動車の「カローラ アクシオ」のハイブリッドモデルになる。同車両の税込み価格は、一般グレードの「HYBRID」が198万円、上級グレードの「HYBRID G」が213万4285円だ。これに対してグレイスは、最も安価な「HYBRID DX」が195万円、中級グレードの「HYBRID LX」が204万円と、カローラ アクシオのハイブリッドモデルより数万円安価になるよう価格設定している。さらに、自動ブレーキなどを搭載する上級グレード「HYBRID EX」を221万円も用意している(グレイスの価格は全て2WDモデル)。
グレイスの外形寸法は全長4440×全幅1695×全高1475(4WDモデルは1500)mmで、ホイールベースは2600mm。車両重量は1170〜1200kg(4WDモデルは1240〜1270kg)である。
一方、カローラ アクシオのハイブリッドモデルの外形寸法は全長4360×全幅1695×全高1460mmで、ホイールベースは2600mm。車両重量は1140kgである。グレイスは全長で80mm、全高で15mm大きく、車両重量で30〜60kg重い。
少しサイズの大きいグレイスではあるが、その最大の特徴は、1個のモーターと7段変速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を組み合わせた小型のハイブリッドシステムであるi-DCDのポテンシャルを引き出した燃費性能とパッケージングにある。
まず燃費性能についてはi-DCDの性能に加えて、空力設計でも工夫を重ねるなどして、JC08モード燃費で34.4km/lを達成した。これは、トヨタ自動車の「カローラ アクシオ」がハイブリッドモデルで実現した33.0km/lを上回っており、国内で販売されているハイブリッドセダンで最も良好な燃費となっている。
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