第3次ロボットブームは日本の課題を解決できるか:ET2014 講演リポート(1/4 ページ)
「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展」のカンファレンスに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の坂本健一氏が登壇した。坂本氏は、現在第3次ロボットブームが到来しており、今後はサービス分野のロボット市場が急拡大すると説明。少子高齢化による労働人口の減少といった日本が抱える課題の解決に、ロボット活用が有効だと主張した。
2014年11月19〜21日に開催された「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展(ET2014)」(パシフィコ横浜)初日のカンファレンスにおいて、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) ロボット・機械システム部 主査の坂本健一氏が「ロボット白書の解説とロボット技術の広がり」をテーマに講演を行った。坂本氏は、ロボット白書の概要を紹介するとともに、今後のロボット市場の動向について語った。
ロボット白書とは?
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年7月17日に、「NEDOロボット白書2014 社会を変えようとするとき、そこにロボット技術がある!(以下、ロボット白書)」を公開した。同白書では日本国内における産業分野やサービス分野などへのロボットの導入に関する現状や課題、今後への提言が盛り込まれている。
坂本氏は、ロボット白書の特徴について「ロボットに関して第一線で活躍する大学や企業の研究者/技術者など、のべ79人が執筆している。ロボットの専門家のためだけの解説書ではなく、学生から社会人まで幅広く読めるものとして作成されている」と説明する。
またロボット白書には、2014年11月12日に生活支援ロボットの国際安全規格「ISO 13482」を取得したサイバーダインの作業・支援用装着型ロボット「HAL」やGoogleが開発を進める自動運転車「Google Car」など、実際の開発・導入事例なども数多く紹介されている。坂本氏は「導入事例などと併せて、ロボットの導入にどんな効果があるか、今後どういった開発を進めるべきかが書かれているのも大きな特徴」と語った。
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