市販プロジェクタを活用した光造形方式3Dプリンタにも驚いたが……「氷積層」だと!?:Maker Faire Tokyo 2014
東京大学3Dプリンタ倶楽部は「Maker Faire Tokyo 2014」に出展。市販のプロジェクタを用いた自作の光造形方式3Dプリンタの実演デモと、“氷”で造形する氷積層3Dプリンタのコンセプトデモを披露した。
東京大学3Dプリンタ倶楽部は、2014年11月23〜24日に東京ビッグサイトで開催された「Maker Faire Tokyo 2014(以下、MFT2014)」に出展。自作の光造形方式3Dプリンタの実演デモの他、“氷”で造形する氷積層3Dプリンタのコンセプトデモを披露した。
東京大学3Dプリンタ倶楽部は、自分たちで3Dプリンタを作ることを目的に活動するグループ。MFT2014の会場では、市販のプロジェクタを活用した自作の光造形方式3Dプリンタを2機種展示。3次元モデルデータの断面画像をPCからプロジェクタに送り、ステージをZ方向に動かしながら露光して光硬化樹脂を固めていく様子を実演してみせた。3Dプリンタの制御にはArduinoが活用されている。
また、東京大学3Dプリンタ倶楽部は氷積層3Dプリンタの開発に挑戦中だとし、MFT2014の会場では氷積層3Dプリンタの「動作部(ヘッド)」と「氷積層部(冷却ベース)」の2つを別々にデモしていた。
「動作部はほぼ完成しており、STLデータからスライスしてノズルの位置を合わせるところまでは動いている」(説明員)とし、はんだごてをノズルに見立てて位置を合わせ、氷の塊を溶かす様子を実演していた。「実際は過冷却水をノズルから出して氷を積層していきたい」(説明員)という。
動作部のデモの横では、氷積層部のデモを披露(取材時は故障中で動いていなかった)。12個のペルチェ素子を用いた冷却装置を開発し、シリコンオイルを満たした液の中で氷を積層していくという。2015年春の完成を目指し、鋭意試作・改良中とのことだ。
関連記事
- 見て・触れて・体験できる――オートデスクが3Dモノづくりの世界をメイカーに訴求
オートデスクは「Maker Faire Tokyo 2014」に出展。複数のiPod touchを用いて簡単に人物の3Dモデルデータを作成できる装置「3D Photoブース」や、3Dプリントしたユーザー作品の展示、パートナー企業の取り組みなどを紹介した。 - ローランドDGの小型切削加工機「SRM-20」に隠された“ヒミツの扉”
ローランド ディー. ジー.は、2014年11月23〜24日に東京ビッグサイトで開催された「Maker Faire Tokyo 2014」に出展。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)との共同研究として、SRM-20の“ヒミツの扉”を活用した新しいデジタル工作機械のカタチを提案するデモを披露した。 - 大企業も注目「Maker」ブームのなぜ
電子工作など、モノづくりを趣味で楽しむ人(Maker)が集まるイベント「Maker Faire Tokyo 2014」に東芝やインテル、オートデスクなど大企業の姿が。一般向け製品を主力としない彼らの狙いは何か。 - 没入感パネェOculus Riftメーヴェから“本物の空気砲”まで、野生の天才を見てきた
「作る」をキーワードとしたDIYイベント「Maker Faire Tokyo 2014」。才能の無駄遣いを遺憾なく発揮されるこの祭典で、野生の天才に(たくさん)遭遇してきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.