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レゾルバの励磁アンプ回路の部品点数を4割削減、新日本無線がオペアンプを開発車載半導体(2/2 ページ)

新日本無線は、ハイブリッド車や電気自動車の走行用モーターなどの回転角度検出に用いられるレゾルバの励磁アンプ回路の機能を集積したオペアンプ「NJU77903」を開発した。NJU77903を用いることで、レゾルバの励磁アンプ回路の部品点数を40%以上削減できるとともに、実装面積も半分以下にできるという。

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過電流保護回路も内蔵

 NJU77903は、励磁アンプ回路のうち、オペアンプ、抵抗、ダイオード、FETなどで構成される回路を1個のダイに集積したICである。従来の個別部品に替えてNJU77903を使えば、部品点数と実装面積を大幅に削減できるという。励磁アンプ回路には、電流制御方式と電圧制御方式の2種類があるが、電流制御方式では部品点数が37個から21個に、電圧制御方式では33個から19個に減らせる。削減率は約42〜43%となっている。

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「NJU77903」によって置き換えられる励磁アンプ回路の部品,「NJU77903」によって置き換えられる励磁アンプ回路の部品(クリックで拡大) 出典:新日本無線

 NJU77903のパッケージは、励磁アンプ回路のFETに使われているTO-252と同じだ。このため、NJU77903を使った励磁アンプ回路の実装面積は、個別部品で回路を組む場合と比べて半分以下に減らせる。また、電圧制御方式の励磁アンプ回路で追加していた短絡時の過電流に対する保護回路もNJU77903に内蔵されている。併せてサーマルシャットダウン回路も集積した。

 一般的なオペアンプと比べて動作電圧が高く、出力電流が大きいことも特徴となっている。個別部品のオペアンプの最高動作電圧は10V程度が一般的だが、NJU77903は36Vと高い。定格の出力電流も±100mAと大きい。

 その他の仕様は以下の通り。消費電流は定格で9.5mAで、動作温度範囲は−40〜125℃。スルーレートは3.5V/μs、周波数特性は1.5MHzとなっている(いずれも定格値)。

車載用途を前提に開発した初の製品

 オペアンプの生産数量で世界2位という新日本無線は、汎用品のアナログICを車載グレードにした製品を自動車メーカーや車載システムサプライヤに販売してきた。レゾルバの励磁アンプ回路に使われている個別部品のオペアンプなどもその1つだ。

 「今回発表するNJU77903は、新日本無線として、車載用途を前提に開発した初の製品となる。顧客の評価も高く、NJU77903を搭載した車両が2015年中に量産販売される見込みだ。長期の量産目標である月産15万個もかなり確実に達成できるだろう」(同社)という。

 なおNJU77903は、車載グレードのTO-252パッケージの他、ESON-8パッケージを採用した民生用グレードも用意されている。

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