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京セラ、耐摩耗性・耐欠損性を従来比約1.5倍に向上した切削工具用の新サーメット材種を開発FAニュース

高速加工から低速加工まで、幅広い使用領域に対応する鋼加工用の新材種「ハイブリッドサーメットTN620/PV720」を開発。サーメット内の超微粒子を最適に分散させる特殊表面硬化「ハイブリッド構造」を採用し、硬度と靱(じん)性を両立した。

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 京セラは2014年10月22日、切削工具の新製品として、耐摩耗性と耐欠損性を従来比で約1.5倍に向上した鋼加工用の新材種「ハイブリッドサーメットTN620/PV720」を開発したと発表した。高速加工から低速加工まで幅広い使用領域に対応するもので、同年11月1日から新材種を使用した鋼加工用の切削工具チップの販売を開始する。

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 サーメットは、セラミックスと金属の複合材料で、セラミックスの耐熱性と金属の靭性を掛け合わせた素材。耐摩耗性に優れ、金属が付着しにくいため、鋼や鋳鉄の仕上げ加工など、高精度な表面加工ができる。

 新材種のTN620は、サーメット内の超微粒子を最適に分散させる特殊表面硬化「ハイブリッド構造」を採用し、硬度と靱(じん)性を両立した。高融点の特殊金属相を採用した「ハイブリッド結合相」と圧縮応力効果を持つ「ハイブリッド硬質相」などの独自技術により、従来製品以上の強度と耐欠損性も確保した。

 さらにPV720では、同社独自の特殊ナノ積層コーティング「MEGACOAT NANO(メガコート ナノ)」を採用。耐摩耗性・耐酸化性に優れたコーティングにより、高能率加工と高い加工面品位を可能にしたという。

 価格は、TN620が400〜1800円(税抜き)で、PV720が500〜2120円(税抜き)。初年度の売り上げは、それぞれ3億円と5億円を目指すという。

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